教育費負担軽減など 1億総活躍計画まとまる

2015年11月16日号掲載

文科省は11月11日、1億総活躍社会推進本部(本部長・馳浩文科相)を開き、出生率向上や教育費負担を軽減するために、幼児教育無償化などを盛り込んだ計画をまとめた。さらに高等教育改革を進めて優れた人材を創出するほか、学術や文化スポーツなどの関連産業の規模を3倍以上にする施策を打ち出す。今月中にまとめる政府の緊急対策に反映させる見込みだ。

計画では、新3本の矢の1つである「夢をつむぐ子育て支援」について希望出世率1・8の実現や、貧困連鎖防止のために教育費の負担軽減を目指す。具体的には、幼児教育無償化のさらなる拡大をはじめ、就学援助や高校生・大学生の奨学金拡充、多子世帯への重点的な支援策を打ち出す。財源に関しては、教育再生実行会議の第八次提言を踏まえて検討する。

学力保障のために戦略的な教員定数の充実を図る。外部人材を登用し、教員の負担を軽減する「チーム学校」の実現に、スクールカウンセラーなどの専門人材の配置。発達障害や外国籍の児童生徒といった多様な問題に対応する加配教員の増員を掲げた。

馳文科相がこれまで力を入れてきたフリースクール支援や夜間学級の設置促進を柱に据えた。加えて、学校と地域の連携も推進する。放課後児童クラブなどを進める「放課後子ども総合プラン」を基に、学校を核とした地域協力強化プランを策定する。

政府目標の「GDP600兆円」の達成に向けた、もう1つの矢である「希望を生み出す強い経済」は、科学技術、文化、スポーツの分野で新市場を創出し、成長率の実現を目指す。スポーツ産業の市場規模を現在の約5兆円から平成37年までに約15兆円にする目標を掲げた。国内の文化資産を生かした観光産業の育成にも力を入れ、関連産業の規模を現在の約5兆円から約18兆円に拡大させる目標を示した。こうした経済成長を促すために、人材育成にも注力する。高大接続改革の実行やアクティブ・ラーニングを活用した授業改善なども取り入れる。

介護離職ゼロを掲げた3本目の矢では「生き活き社会の実現」を目指す。ロボットを利用した介護支援をはじめ、生涯スポーツを通じた健康増進を図るための施策を視野に入れる。

政府の1億総活躍国民会議で、この計画を示す予定だ。今年度の補正予算を見据え、議論を重ねる。会合に先立ち、馳文科相は「文科省としての方向性をまとめ、実行していきたい」と語った。

(詳細は「教育新聞」紙面に掲載)  

 



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