待機児童解消など盛り込む 1億総活躍社会

安倍政権の目玉政策である「1億総活躍社会」の実現に向けて、緊急対策がまとまった。11月26日に開かれた1億総活躍国民会議で示され、「希望出生率1.8の実現」「介護離職ゼロ」の目的達成に重点を置いた政策に取り組むなどの内容を盛り込んだ。

これらの財源は、今年度の補正予算を充てる見通しだ。また中長期的な施策である「1億総活躍プラン」については、来年5月に策定する。

教育関連では、段階的幼児教育無償化、所得連動型奨学金制度、子どもの貧困対策などが打ち出された。

希望出生率1.8の実現では、待機児童対策に乗り出す。「待機児童解消加速化プラン」に基づき、認可保育所の整備を前倒しする。平成29年度末までに40万人から50万人の受け皿を拡大する。さらに、深刻な保育士不足にも着手する。保育士の資格がありながら、一般企業に勤務している70万人以上の人材を保育業界に呼び戻す対策を打ち出す。児童が少ない朝夕に限り、保育士1人のほかに、研修を受けた子育て経験者1人を置くことができるようにする。これまでは、最低2人の保育士を常駐するよう省令で定められており、厚労省は改正を視野に、年内までには対策をまとめる見込みだ。

このほか、小学校や幼稚園の教員免許をもった人材を保育所などで活用する案も浮上している。

教育費用の負担軽減策も打ち出す。財源を確保した上で、幼児教育無償化を段階的に進める。文科省が検討している「所得連動型奨学金制度」の導入に向けて取り組むとした。子どもの貧困対策として、「ひとり親家庭・多子世帯等自立支援プロジェクト」を進める。これには、民間資金を活用するほか、地方公共団体を活用した支援も実施する。

同会議で安倍晋三首相は、「子育てや社会保障の基盤を強化し、さらに経済を強くするという『成長と分配の好循環』を構築していきたい。今回の緊急対策は、その第一歩」と訴えた。

中長期的な施策である「1億総活躍プラン」については、加藤勝信1億総活躍担当相が、同会議翌日の27日、日本記者クラブで会見し、来年5月に策定する考えを示した。

この日の会見で加藤1億総活躍担当相は、「5月には、平成32年、またその先を見据えたロードマップとなるプランをつくることになっている」と語った。