子育てに悩む親の孤立に警鐘 埼玉県総合教育会議

総合教育会議でより良い教育を論議
総合教育会議でより良い教育を論議

埼玉県は、県知事と教委が協働し、県内の教育の姿や方向性を共に考える総合教育会議を今年度から実施。第5回会議を12月2日、さいたま市の知事公館で開いた。これまでの協議でまとまった「埼玉教育の振興に関する大綱」案を練り上げるため上田清司知事と教育委員が意見を交わした。

大綱案の柱は、▽全ての子どもたちへのメッセージ▽多様な価値観を許容し、公共の利益や将来を担う力などを示した今後の「人財」育成の観点▽確かな学力と変化の激しい社会を生き抜く力の育成など7つの根本的方針▽未来を見据えた明日の埼玉教育のために――で構成される。

「全ての子どもたちへのメッセージ」では、「皆さんには様々な能力と可能性がある。そんな能力と可能性を十分開花させ、障害などの困難があっても特別な支援の手を差し伸べ、環境を整えるのが大人の使命と考える。進むべき道を間違えても何度でもやり直すチャンスを提供する環境も整備する」などと呼びかける。

協議では、「柱のタイトルを『全ての子どもたちへのメッセージ』としたい」など、子どもたちのより良い教育に向けた強い誓いを込めようとの意見があった。

「今後の『人財』育成」では、▽自らの力で人生を切り拓き人生に満足できる生涯が送れる▽「ならぬことはならぬものです」という人としての基本を身に付ける▽多様な価値を許容し、同時に公共の利益も考えられる――などを提示する。

「7つの根本的方針」では、(1)確かな学力と変化の激しい社会を生き抜く力の育成(2)豊かな心と健やかな体の育成(3)社会変化に対応した高校教育の推進(4)家庭、地域の教育力向上と支え合いの絆づくり(5)生涯学習の支援とスポーツ推進(6)教職員の資質能力向上(7)多様な課題を抱えた子の教育支援――を掲げる。

「確かな学力と変化の激しい社会を生き抜く力の育成」では、新たな価値を生み出すための「想像力」育成を打ち出し、それを支える確かな「基礎学力」の定着と反復の学びを重んじたいとする。読む、聞く学びに加え、書く、話すといった発表や表現する力を高める一方、論理的思考力や問題解決力の育成のため、教師主導型の授業から、子ども同士が学び合い、学習意欲を高め自主的に学ぶ力を育む実践に向けた「学びの改革」を図るなども挙げる。

「家庭・地域の教育力向上と支え合いの絆づくり」では、少子高齢化や核家族化も踏まえ、保護者が子育ての悩みや不安を募らせている状況があるとする。そこで、安心できる子育て環境や親の力を高める学習機会の充実、学校、家庭、地域が連携した教育活動を一層充実すると提言。

知事や委員からは、保護者が情報の氾濫や孤立化などで子育てに悩む状況に警鐘が鳴らされ、学校、保護者、地域が一層一つになって子育てや教育に取り組みたいとの思いが語られた。

今後も話し合いを深め、大綱の年内策定を目指す。協議は来年度以降も継続的に実施する。

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