中学生作文コン 人権週間にあわせ入賞発表

法務省、全国人権擁護委員連合会は、今日から始まる人権週間を前に、第35回全国中学生人権作文コンテスト(文科省など後援)の入賞者を発表。同日から受賞者の居住する都道府県の法務局・地方法務局を通じて表彰を行う。

応募総数は、7584校(前年度より501校増)の97万3865人(同2万654人増)。これは過去最高。

内閣総理大臣賞は、宮城県仙台市立第一中学校3年生・佐藤萌さんの「人として生きる」。

法務大臣賞は、千葉県浦安市立高洲中学校1年生・小林想さんの「ぼくの生きる道」。

文部科学大臣賞は、徳島県神山町立神山中学校3年生・佐々木里菜さんの「大島青松園を訪れて」。

佐藤さんは、満州で働いていた曽祖父について祖母から聞いた話をまとめた。曾祖父は、過酷な労働を強いられていた外国人労働者の生活向上に努め、物資を分け合うなど平等に接した。終戦を迎え、家族が満州を引き揚げるとき、死を覚悟するほど悲惨な状況下だったが、長年雇っていた中国人たちが命がけで脱出させてくれた。この話を聞き、今、認知症が進む祖母を支え、人格を尊重し、明るく接しようと決意する。

小林さんは、体にハンディキャップを抱え、差別を受けるなど大変な経験をしてきた。とはいえ、チャレンジ精神を忘れず、サーフィンの体験を通じて、諦めずに挑戦する自信を得た。これからも周囲への感謝の気持ちを忘れず、自分らしく生きようと決意する。それとともに、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を強く願う。

佐藤さんは、ハンセン病の施設を訪問し、強制隔離によって患者が受けた差別や苦しみを知った。納骨堂に無名の骨壺が納められており、死と向き合ってもなお、家族が自分のために差別を受けないよう、家族を思いやる優しさに強いショックを受けた。両親とその体験について話し合い、人権問題について真剣に考え、行動していこうと心に誓う。

応募作品のテーマの内訳は、「子どもに関する問題」が全体の40.8%(39万7585編)。このうち「いじめ」が30.3%(29万4956編)。「戦争・平和」が16.0%(15万5475編)。「障害のある人に関する問題」が8.0%(7万8052編)。「差別問題一般」が6.6%(6万4532編)だった。

中央大会審査員長は作家の落合恵子さん。入賞作品は「第35回全国中学生人権作文コンテスト入賞作文集」として取りまとめ、来年2月ごろに刊行予定。

同省は、次世代を担う中学生が、人権問題について書く作文を通して、人権尊重の重要性の理解を深め、豊かな人権感覚を身に付けてほしいと、昭和56年度からコンテストを開始。作文を広く募集している。