薬害教育で指導用手引 来年度に学校に届く

薬害被害者なども加わった検討会
薬害被害者なども加わった検討会

厚労省の「薬害を学び再発を防止するための教育に関する検討会」(座長・衞藤隆東京大学名誉教授)は12月3日、中学校3年生向けの薬害教育教材の教員用指導の手引や映像教材の内容をまとめた。薬害エイズや陣痛促進剤といった被害の原因などを学習するのが目的だ。来年度に教材が学校に届く見込みだ。

テキスト「薬害を学ぼう」指導用手引では、授業の流れや指導上のポイントなどを示した。

学習のねらいは、▽消費者保護の観点から薬害の歴史を学び、発生の共通点を理解させる▽薬害を防ぐための社会のしくみと、消費者としての役割を考えさせる▽副作用と薬害の違いを知り、発生の共通点を考えさせる――など。

指導のポイントでは、テキストに挙げられているHIVやサリドマイドなど被害例の共通点を見つけてまとめさせたり、グループ討議で意見交換させたりと、実践事例を挙げた。

映像教材は約20分程度。4つのパートから構成されている。薬害の歴史や医薬品をめぐる社会の仕組みなど学ぶ内容。

この教材のなかには、被害者やその家族の声も収録されている。ヤコブ病を患いヒト乾燥硬膜によりプリオン感染症で妻を亡くした夫は「私を残して旅立ってしまった。二度と同じようなことが起きないようにしてほしい」と、薬害が引き起こした悲劇を訴えている。

厚労省は、文科省の協力を得て、平成23年度から薬害を学ぶ補助教材を作成している。社会科や総合的な学習の時間で活用されている。薬害については、保健体育の保健分野での「薬の正しい使い方」に深く関連している。

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