専門高校の魅力はここ 小中教員の多くが知らない

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の産業教育ワーキンググループ第1回会合が12月7日、文科省で行われた。各委員が取り組んでいる産業教育の実態と課題が述べられた。専門高校の数は年々減少傾向にある。生徒らは資格を取得するなど、専門性を身に付けて大きく成長している。地元企業との連携で地方創生にも一役買っている。だが、こうした長所を、義務教育段階の教員の多くが知らないので、有効な進路指導ができていないのが課題とされた。

服部晃岐阜女子大学文化創造学部・大学院教授は「専門高校は、地域で活躍する人材を育てている。普通科は頭で学び、専門高校は体全体で学ぶ。資格取得といった目標も明確で、クリアすると達成感がある。こうしたよさを多くの小・中学校教員は分かっていない。今後は、義務教育の教員に対して専門高校の良さをアピールしていくべき」と、長所の周知が求められる語った。

熊本県教委の木之内均(有)木之内農園代表取締役会長は「子どもたちはホワイトカラーを志向する傾向が強い。夢がない。いろいろな夢を持ってほしい。日本は専門家や職人に対する評価が低すぎる」と、多くの海外経験から専門職に夢を抱いてほしいと話した。

鎌田信秋田県教育庁教育次長は「工業・農業高校は地域連絡協議会をつくり、連携できるフィールドをつくっている。地域創生の意味も込め、企業と連携している。カリキュラムにしっかりと組み込むのが大事」と、地元企業とのタイアップ効果を指摘。

清水雅己埼玉県立川越工業高校長は、「社会に開かれた工業高校をつくっていきたい。先日、課題研究で大企業と連携してものづくりをした。学校だけでは大きな予算は取れないが、企業と連携して子どもたちのチャレンジが実現できた。教育の中に企業を取り込み明確な目標を持つ。すると子どもたちは伸びる。高いレベルの体験は重要」と連携の効果を語った。

中山博之東京都立第三商業高校長は、「東京は専門高校の統廃合が進んでいる。私が教師になった三十数年前は商業高校が21校あったが、現在は9校。うち2校が違うタイプの高校になる予定。地方の元気さと都会の違いを痛感する。都会になればなるほど商業高校の必要性への理解が乏しい。企業に勤めた経験のある教員は少ない。インターンシップ先で実習を見るなどして経験を積ませている」とした。

西野和典九州工業大学院情報工学研究院教授は「情報科は平成15年に始まった。生徒数が全国で約3千人、0.1%。IT技術者は、数十万人不足しているといわれているのに専門高校の生徒はあまりにも少ない。10倍、20倍育てていい。とはいえ、教える教員が少ないのが実態。専門性を持った教員を採用するのが課題」と話した。

丸先敏夫愛知県立三谷水産高校長は、「中学校の進路指導は、専門学校に目が向いていない。いかにアピールするかが課題。全国の水産高校は、産業界と共同開発した商品がモンドセレクションで入賞するなど、生徒が力を発揮している。地元企業に入り、地域産業で活躍する生徒を育てていきたい」とした。

三浦登東京都府中市立府中第四中学校長は「中学校の立場からは、進路指導の話は耳が痛い。府中市の高校進路指導でも普通科高校に目が向いているのは否めない。中・高が連携し、目的を持って高校進学する生徒が増えてほしい」と期待を寄せた。

会議は、①職業に関する各教科を通じて育成すべき資質・能力②実験・実習などの実践的、体験的学習活動の成果などを踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき指導の在り方③国家資格や各種検定などを含めた資質・能力の育成で重視すべき評価の在り方④必要な支援、条件整備――が検討事項。