特異な才能を伸ばす 新しく自由な学びで

各自の興味をとことん伸ばす学びを実施
各自の興味をとことん伸ばす学びを実施

(公財)日本財団と東京大学先端科学技術研究センターは、さまざまな分野で突出した能力を持ちながらも、現在の教育環境になじめなかったり、不足を感じていたりする小・中学生を選抜し、新しい学びの場と自由な学びの機会を提供する「異才発掘プロジェクトROCKET」を、昨年から実施。12月7日、東京都目黒区の同センターで同プロジェクトの第2期生13人を迎え、オープニングセレモニーと初回のトップランナー講義を行った。参加した小・中学生は、政治や経済に詳しかったり、工学に長けていたり、菌類について情報発信したりと、異才を発揮している。

同プロジェクトの対象は、全国の小学校3年生から中学校3年生まで。今年は550人の応募者から13人を選抜した。

広島県の小学校5年生、柳川直輝君は、独学で多分野の本を読破。トマ・ピケティ著の『21世紀の資本』など、経済学や政治に関する深い知識をもつ。将来は経済学の知識を生かして政治家になるのが目標。日本の貧困層対策やスラムに住む貧しい人たちなど、世界中の困窮する人たちを豊かにしたいという夢をもつ。

宮城県の中学校3年生、保積賢人君は、興味を抱いた内容は人一倍追究できる。宇宙工学や宇宙物理、機械工学にも関心が高く、クレーンの設計や工学技術などにも深い知識をもつ。アイデアを設計図にして収集し、建設機械や重機械メーカーでアイデアが採用された例もある。有言実行の行動力やエネルギーにも満ちあふれている。

神奈川県の小学校6年生、山下光君は、第2期生の初授業オープニングとして、自分が興味をもっている取り組みについて説明した。きのこに強い興味をもち、同県立生命の星地球博物館で菌類調査ボランティアなどに携わり、ツイッターやブログで情報発信。「きのこ検索」というWebサービスを自ら立ち上げ、データベース解析で、菌類の発生状況や予測なども行っているなどと話した。

トップランナー講義では「僕たちのこだわり」と題して、ロボットクリエーターの高橋智隆さんとアーティストの鈴木康広さんが話した。
高橋さんは、電池のコマーシャルでも使われた綱登りロボットの作成やロボット型スマホ開発の経緯などについて語った。取り組みの試行錯誤にふれながら、「自分の“好き”を基準に」「手を動かす中で新しいアイデアが生まれる」「迷ったらユニークな選択肢を選ぶ」などの人生に通じる考えを示し、子どもたちの今後の学びを励ましていた。

同プロジェクト名のROCKETは「Room Of Children with Kokorozashi and Extra-ordinary Talents」の頭文字から命名。タイトルが意味するように「志があり特異でユニークな才能をもつ子どもたちが集まる学びの場」の創造を目指している。

この学びの場では、▽ユニークな子どもを潰さない▽「変わっている」を直さない▽学びを強制しない▽教科書や時間制限を設けない▽苦手をICTで補う▽教えずに挑戦を促す――などの特徴的な学びのスタイルによって、イノベーションを生み出し、世界をリードする異才の育成を視野に入れている。

学びは、科学、スポーツ、伝統工芸など多様な分野の最前線で活躍するプロたちによる「トップランナー講義」や、複数のミッション達成に向けた活動を通じて、独自の問いや探究心などを伸長する「プロジェクト学習」(Project Based Learning)を提供。月に1回程度、同センターに集い、それぞれの関心に沿った学びを自由に進める。一人ひとりの興味に応じ、インターネットを利用した個別指導なども行う。

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