弁当作れないので学校給食を ひとり親家庭を調査

神奈川県は、(社福)恩賜財団母子愛育会愛育研究所と共同で、同県内の「ひとり親家庭」の現状やニーズを把握するアンケートを今年8月に行った。「公共料金の支払いが滞った」「多忙で中学生のわが子に弁当を作れないので、中学校で給食を実施してほしい」など、切実な実態が明らかになった。

調査対象は、県内33全市町村の「児童扶養手当」受給資格者約6万2千人。651件の有効回答を得た。回答者は、母親が634人(97.4%)、父親が16人(2.5%)。家族構成は、子どもの人数1人が最多で312人(52.7%)。年齢構成は40~44歳が最も多く186人(28.7%)など。

最終学歴は高卒が242人(37.3%)と最多。短大.大学以上が201人(31.0%)など。現在の就業状況では、パート.アルバイト.非正規社員が335人(51.5%)で最多。常勤.正規職員が245人(37.6%)。

過去1年間の家族全体の収入は、100万~200万円未満が202人(35.7%)と最多。200万~300万円未満が172人(30.4%)で、300万円未満が7割を超える。株や保険を含んだ預貯金額は0円が最多で185人(33.9%)。100万円以下を合わせても410人(約75%)など。

過去1年間に経済的な理由で支払いができなかったり滞ったりしたのは、ガス、水道、電気など公共料金が180人(27.6%)、年金や医療、介護の保険料支払いが150人(23.0%)など。過去1年間、同様の理由でできなかったり見合わせたりしたのは、家族での旅行や帰省などの外泊が504人(77.4%)、家族で余暇の外出414人(63.6%)。

ひとり親家庭の支援で拡充すべきだと思う制度は、児童扶養手当など現金給付の拡充が291人(44.7%)、学校教育にかかる費用の助成.免除の拡充が333人(51.2%)、ひとり親が働きやすい職場環境の改善が225人(34.6%)。

教育や就労、経済的支援などについて、自由意見も尋ねた。教育面では、▽大学進学へのサポートが難しく子どもの就職への影響など貧困の連鎖につながりそうで不安▽学童保育で英会話や学習が受けられるとすごく良い。自習時間に家庭教師や学生がサポートしてくれるとありがたい――など。また学校給食について▽多忙の中できちんとした弁当を作るのが難しく、中学校の全校給食をぜひ実施してほしい――との思いが示された。

生活面では、▽帰宅が遅く、子どもと食事してお風呂に入り寝る流れ作業のような毎日。ゆっくり子どもと過ごす時間もなく生活と未来が不安――など。保育園や病児保育については、▽未婚で出産して仕事ができないにもかかわらず、保育園の空きがなかったときは本当に生活に困った――など。

その他、▽居心地の良い家庭環境を作りづらい。非行予防も含めて子どもの居場所作りを▽市役所の一部にハローワークを作るなど、職探しの間に子どもを預かってもらえる仕組みがあると助かる▽経済的支援だけでなく、自立のための資格支援やそのためのシステムを積極的に広め、早期から将来を見通せるようになると良い――などの意見も出されていた。

同調査については、「声を聞いてくれる感じがする。ぜひ来年も実施を」などの感想があった。