貧困は私の遺伝? 彼女は自殺を考えた

貧困に関連するさまざまな問題が話題に
貧困に関連するさまざまな問題が話題に

第16回シンポジウム「子どもの貧困~生活環境と連鎖を考える」が12月10日、衆議院第一議員会館で開催された。人権文化を育てる会が主催し、(公社)人権啓発センターが共催した。

パネリストは、炭谷茂同会代表世話人、副田一朗NPO法人生活困窮・ホームレス自立支援ガンバの会理事長、渡辺潤全国公的扶助研究会副会長・大田区生活保護相談員。

親の障がいやネグレクト、生活困窮家庭の子どもの学習支援など、多くの貧困問題の事例が語られた。

その内容をまとめると――。

文科省のデータで、世帯収入と子どもの学力には密接な関係があるのが分かる。世帯収入が少ないほど学力が低く、学歴にも格差が生まれる。貧困家庭の子どもの高校進学率を上げるのが大きな課題。

18歳になったので児童養護施設を出て大学に入ったものの、自活をするためにアルバイトで働きづめ。結果的に大学を中退した彼女は、自殺を考えるほど悩んだ。当時は誰にも相談できなかった。働いてばかりの彼女の目には、他の学生が別世界の人に見えていた。働きづめになったり、貧困で生活保護を受けたりする自分を「遺伝」だと思い、落ち込んだ。18歳までは、児童養護施設で守られる。18歳を過ぎると、途端に支援がなくなるのが問題。

参加者のひとり、輿石且子横浜市会議員は「ひとり親家庭の支援とあわせて、児童養護施設のアフターケアについて市議会で取り上げた経験がある。対策を練るためには調査が必要。ただ、貧困当事者の声を聞きたいと思っても、当事者の団体がない。『当事者の総意』を聞く体制が整っていないので、予算も付けにくい」と、行政上の問題を提起した。