唯一の正解がない問題を追究 保健体育もそれで

ストレスマネジメントや薬物の知識を学ぶ内容も提言
ストレスマネジメントや薬物の知識を学ぶ内容も提言

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(WG)は、第3回会合を12月10日、文科省で開いた。次期学習指導要領への改訂に向けて、体育や保健体育などで育むべき資質能力と実践のあり方について、各委員が論議を深めた。協議では、「日本の長寿実現などを国際比較で考えたり、超高齢社会を迎える中で、唯一の正解がない問題を追究したりする学びが必要では」「技量に関係なく運動好きな子を育てる実践を」などの意見が出た。

同WGは、次期学習指導要領に向けた「論点整理」で、新時代に求められる資質能力育成の視点として挙げられた、①教科で育む「知識・技能」②主体的・協働的に問題発見し解決するための「思考・判断・表現力」③人間性向上や学習意欲――の3点を見据え、論議を進めている。

「知識、技能」の育成では、「社会への巣立ちを早期に意識する点も踏まえ、ストレスマネジメントや薬物の危険性などを高校の保健体育でより深く学ぶ内容が必要では」「がんや臓器移植など、今後も大きな社会問題になる健康上の課題をどう扱うか」「『知識・技能』と『思考・判断・表現力』は相互に影響し合うもの。個別の捉え方をせず、両者の関係の中で考えるべき」などの意見が出た。

「思考・判断・表現力」育成を見据えた議論では、「知識理解をベースに思考・判断・表現力が育まれるとの流れだけでなく、子どもが学びへの意欲や思いを持つ中で、知識・理解が深まる流れもある」という、学びの関係性の問題提起が出されたほか、「高校の保健体育の保健科目では、日本の長寿社会などを国際比較の中で考える学びや、認知症の問題などの唯一の正解がない問題に子どもたちが取り組む学習が検討されてもよいのでは」との意見も。

また、単に「健康の大切さ」をうたい、その実現への学びを促すだけでなく、健康と人生の関係から「人生を通してそれぞれの夢を達成するためにも健康は大切」など、よりよい人生と健康が密接に関わっている点を理解する実践が必要ではとの思いも語られた。

その他、「思春期の中高校生の中には、保健や健康の正しい知識をもっていても、行動の伴わない生徒がいる。正しい知識理解の学びだけでは不十分」などの意見が出ていた。

「人間性や学習意欲を高める学びのあり方」の議論では、技能にかかわらず、運動が好き、楽しいと感じて取り組む子どもを育てる実践が重要などと提言。障害のある人や人種、性差、性同一性障害などについて考える内容や、体力測定などの各種データを活用し、子どもたちが自分の体力などを比較して学べる授業を行うのも効果的でないか、などと提案された。

「学校だけでなく地域全体で実践する」学びの視点も示されていた。