CAN-DOリストを校種間で引き継ぐ 外国語WG

CAN-DOについて発表する投野由紀夫委員
CAN-DOについて発表する投野由紀夫委員

文科省の中教審初等中等教育分科会教育課程部会は12月11日、外国語ワーキンググループ(WG)の第3回会議を開催。CAN-DOリストについて発表が行われた。外国語教育の改善充実について、委員が意見を出し合った。

東京外国語大学総合国際学研究院教授の投野由紀夫委員が「CAN-DOリスト利用の方法と課題」について解説。リスト作成・運用上の課題や、CAN-DOを実現する語彙や文法の説明を行った。

評価に関して同委員は、CAN-DOベースで自己評価をし、それを小・中・高と引き継いでいく案を出した。上智大学言語教育研究センター教授の吉田研作主査は、「自己診断の部分は引き継ぎができるかもしれない」との見解を示した。

東京都港区立御成門中学校長の石鍋浩主査代理は、「CAN-DOというと技能重視に聞こえるが、思いやりなど、心情の面を入れたい」とした。

平成20年の段階では、日本の中学校が使用する英語教科書は、韓国・台湾・中国の教科書と比べて、極めて総語数が少なかった。それが平成28年度版教科書では格段に語彙が増加し、韓国・台湾と近いレベルまできた。ただ、語彙制限がないため、選定されている単語に統一感がないのが課題。同委員は、中学校で出てきてほしい1千語余りのうち、7種の教科書で共通して出てくるのは200語以下だと指摘した。

中・高で3千語に触れるとしても、頻繁に使われるのは一部の基本語。100語程度で文の骨格を作り、2千語で肉付けしていると考える。基礎の100語と絡めて2千語を使い、高校卒業時に活用できるレベルを目指す。同委員は、覚えておけばいい単語と、使えるようにした方がいい単語を分けるのが有効だと述べた。

中学校の教科書に収められた語彙の増加を受け、小中接続の問題も議論された。中には、小学校の英語教育とのギャップを懸念する声があり、小学校と中1の内容を近いレベルにし、中2、中3で力を伸ばしていく方法が提案された。立教大学グローバル教育センター長の松本茂主査代理は「小学校で教科化したときに、小学校でつまずいた子が中1で取り返せる」と理解を示した。毎回新しい内容の導入をするのではなく、既習内容を活用する授業を設計するのが効果的との意見もあった。

小学校教諭は中学校で何をやっているのか知らない。中学校教諭は高校の学習指導要領を読んでいない。系統表があれば、それを意識して授業を設計できるのではないかとの提案もあった。

文科省によれば、幼稚園で学んだものが高校でも生きるのが理想。次期学習指導要領には、縦(学年)のつながり、横(教科)のつながりを生かせる内容が期待されるとしている。

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