職歴なしの若者 過半がコミュニケーションに難題

若者支援の充実を訴えた工藤理事長
若者支援の充実を訴えた工藤理事長

経済的貧困を抱えている若者の就労支援をしている認定NPO法人育て上げネットは、12月12日、ニートなどの若者が抱える「課題」や「困難」について明らかにした「若年者無業者白書2014-2015」を発表した。これによると、外部との関わりをもっている者ほど、就職が決まりやすい傾向であった。さらに非正規職歴の10代では高校中退が約3割となり、在学時点でのつまずきが目立っていた。

調査は同ネットに来所した15歳から35歳までの若者3300人を対象に実施。白書は2回目の発行となり、今後は英語版を電子版として発行する見込み。年代や職歴、無業期間など13群を分析。白書をきっかけに、行政側に若者支援の充実を図るのがねらい。

進路決定しやすい若者は、無職期間が短く、友人関係など外との関わりをもっているなどの特徴がある。

来所した人物の行動や性格などを「正規」「非正規」「職歴なし」の3つに分類にして調べた。職歴が豊かなほど肯定感が強いほか、評価を得られる機会が多いのが分かった。正規の場合は「よく真面目だねといわれる」で55.3%。これが非正規では42.6%、職歴なしでは30.5%の順となった。「よくやさしいねと言われる」も同様の順。

働いている人は、さまざまな人物と交流する機会がある状況の影響で、対人関係が苦手な人は少なかった。だが、職歴なしでは、52.7%と半数以上がコミュニケーションに難があった。

アルバイトなどの非正規職歴の10代では、中卒が36.1%で、その内の27.8%が高校を中退していた。来所のきっかけは、本人からでなく、学校や保護者からの紹介などが多く、全体の68.6%を占めた。退職理由は心身の不調を抱えた者が目立っていた。内訳は、精神的不調16.2%、身体的不調13.5%。このなかの多くは、家庭の事情で働かざるを得ない状況を抱えているのが明らかになった。

社員など正規職歴がある20代前半は、9割以上が高校や専門学校、高専、大学、大学院を卒業しており、10代と比較すると中退者は非常に少ない。中卒は1.5%で、高校中退にいたっては0.7%となった。主な退職理由は、心身の不調や上司との人間関係、業務内容・労働条件だった。

職歴なしの30代は、ほかの年代に比べて6年以上の無職期間の割合が多く、73.3%であった。「仕事に対するイメージを深めたい」や「自分に合う仕事をしたい」などの就労に関する意識が低かった。

当日の記者発表会に出席した同ネットの工藤啓理事長は「調査や分析のために白書を作成したのでなく、支援のためにやっている。行政側で、大規模な同様の調査を実施してほしい。さらに、若者支援の担当部局も設置してもらいたい」と呼び掛けた。

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