学校図書館の意義に触れて 国語WG第2回会合

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の国語ワーキンググループ(WG)第2回会合が12月14日に開かれた。

事務局から提示された「国語科における学習プロセス」と「小・中・高校段階で育成すべき資質・能力」について課題を出し合った。

学習プロセスについては、「育成すべき資質・能力」の「知的活動の側面」では、小学校で「身近な問題について必要な本や情報を選び」、中学校では「社会に関わる問題について、本や新聞、インターネットなどから必要な情報を収集し」、高校では「社会問題や文化・思想などの課題について新書や新聞社説などから必要な情報を収集し」とあった。

大野泰弘東京都練馬区立関町北小学校長は「知的活動の側面で、中学校ではインターネット、高校では新書や新聞社説などから必要な情報を収集するとある。小学校や高校でもインターネットは使う。以前、自分の経験として、うろ覚えの俳句について、キーワードを入れてインターネットで探した。出てきた句は、結局、一文字間違っていたものが多く、正しい情報は1つだけだった。インターネットは、1人が間違えると、誤った情報が独り歩きする。ネット情報の怖さも学習すべき」と指摘。

森田盛行(公社)全国学校図書館協議会理事長は「小学生の知的活動の側面で『必要な本や情報を選び、集めた情報を比較・関係づけて理解』とあるが、小学生はすでに新聞やインターネットも使っており、実態に合っていない。学校図書館の意義をもう少し入れてほしい」と要望した。

座長の北原保雄新潟産業大学長は「近年、書くことには、手書きとキーボード入力とがある。漢字は読めればいいものと、書けた方がいいものとある。電子化の進展によって、漢字の扱いも異なってきている」と、読めるが書けない漢字をどのように扱うのか、疑問を投げかけた。

「感性・情緒の側面」では、高校卒業時までにつけておきたい資質・能力に「古典の中の具体的な一節、故事成語等を適切に引用しながら感性豊かに、かつ巧みな表現を用いて随想や小説を書くことができる」とある。

この点について北村薫早稲田大学文学学術院文化構想学部教授は「伝統文化と創作活動が絡めてあっていい。短歌や俳句も入れたらどうか。例えば小学校で詩作、中学校で短歌、高校で俳句などを創作することで、言語がより洗練される」と語った。

西一夫信州大学学術研究院教育学系教授も「高校の感性・情緒の側面で随想や小説が書けるという出口は興味深い。加えて小学校で短歌や俳句を加えてはどうか。韻文や散文を3校種にどう位置付けるのか。ジャンルも含めもう少し練ってほしい」と、俳句など生涯学習にもなっていると加えた。

そのほか井田由美日本テレビアナウンス部専任部次長は、「学習指導要領を改訂するのは、現状にそぐわないから。今、ここが育っていないから、こうしていきたいと、現状と課題を具体的に出した上で現実的な改善をすべきでは」と基本姿勢を問いただした。

荒瀬克己大谷大学文学部教授は「提示された中には『メモをとる力』が入っていない。高校生や大学生を見ていると、メモをとらない。国語でつけるべき力として強調する必要がある。演劇の分野も入っていない。教える教師も不得手な人が多いかもしれないが、他者とのコミュニケーション力の育成にも大事な分野なので、入れてほしい」と要望。

酒井邦嘉東京大学大学院総合文化研究家教授は「言語を支えるものとして、『心を伝え合う』が入っていない。他者の心を想像する力、他者と共感する力、思いをはせる力も入れてほしい」。

藤森裕治信州大学学術研究院教育学系教授は「コミュニケーションの側面で、中学校は『他者の意見や感想を踏まえて自分の考えを深めたり広げたりできる』とあり、高校では『他者の意見や感想から優れた点や発見を見いだすことができる』とあるが、逆でいいのでは。社会に出たときにコミュニケーションで何がうまくいかなかった原因なのか自己評価できるのは必要。現行の学習指導要領では自己評価は入っている。検討してほしい」などと発言し、次回への課題とした。

北原座長は、提出された資料の文面が、どれも長文で分かりにくいと指摘し、分かりやすい文章にするためにも、もっと「まる」で区切るよう事務局に要望した。

あなたへのお薦め

 
特集