女子は過去最高で男子は過去最低 体力合計点

スポーツ庁が発表した平成27年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果をまとめた報告書によれば、小・中学校とも女子は体力合計点が過去最高、男子は過去最低。平成20年度からの8年間では、男子の体力は過去最低、女子は過去最高と大きく差がついた。

調査対象は、全国の小学校、特別支援学校小学部、中学校、中等教育学校、特別支援学校中学部合わせて3万1055校の、小学校5年生と中学校2年生の男女約213万人。8種目の実技を調べ、体力合計点を出した。特別支援学校、特別支援学級の児童生徒については、障害状況などから、参加を判断した。

それによると、種目別では、男女とも握力とボール投げは8年間で過去最低。上体起こし、長座体前屈は過去最高だった。女子については、反復横跳び、20メートルシャトルラン、50メートル走と合わせて、5種目で過去最高の記録となった。

1週間の総運動時間は、60分未満が、男子では、児童が昨年度比0.3ポイント増の6.6%、生徒が同0.2ポイント増の7.1%。

女子では、児童が同0.4ポイント減の12.9%、生徒が同0.9ポイント減の20.9%。男子よりも2倍から3倍近く割合は高いが、前年度よりは減じている。

1週間の総運動時間と体力合計点の総合評価を関連させると、総運動時間が長いほど総合評価が高かった。

体格と運動時間の関係では、小・中学校の男女ともに肥満・痩身グループは、1週間の総運動時間が60分未満の割合が高かった。体力合計点は低く、総合評価も低位だった。

児童生徒に対する質問で、体力合計点が最も高いグループが肯定的な回答をした割合を、全国平均と比較し、大きな差が出た項目は、▽運動が得意▽運動やスポーツは大切なもの▽家族と一緒に運動やスポーツの話をする▽体育の授業は楽しい▽放課後や学校が休みの日にボールなどを投げる運動をすることがある。

体力合計点が高い学校の取り組み実施率と全国平均の差が大きい項目は、▽調査結果を踏まえた授業等の工夫・改善▽学年の目標設定▽学校全体の目標設定。

教委の取り組みでは、前年度の調査結果を受けて体力向上策などを実施した割合は、昨年度の43.8%から63.9%へと増加した。課題である中学校女子の運動・スポーツ実施は、意欲喚起、実施促進が17.4%から28.7%へと増えた。

県全体で体力向上策を

報告書には、県全体で体力向上に取り組み成果を上げている高知、和歌山両県の事例が収載された。

高知県では「こうち子ども体力アップアクションプラン」(平成21~23年度)を策定。24年度以降も「新・こうちの子ども体力アップアクションプラン(AKBプロジェクト)」を作成し、体力向上を目指している。26年度からは、体育に精通した元校長を体育改善アドバイザーとして配置した。課題のある学校を訪問し、授業観察の後、指導、助言する。

今年度は2つの教育事務所に1人ずつ指導主事を新たに配置し、学校現場への手厚い支援を行っている。

和歌山県では、体力・授業力アップモデル校を指定し、トップアスリートなどさまざまな専門家を派遣し運動意欲を喚起した。体育の授業研究会も行った。25年度には女子の運動離れを食い止めようと体育の授業で活用できる「紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンス」を制作し、全校で実施。このダンスの振り付けや音楽を活用した創作ダンスへの発展を示した指導DVDを作成。26年度、小学校で76.6%、中学校で65.3%、高校で62.5%が実施した。

こうした取り組みの結果、両県とも平成20年度から27年度にかけて小・中学校の男女とも体力合計点が伸びている。

学校用確認シートを配布

同庁は、今年度新たに「学校用確認シート」を配布する。各校で自己点検を行い、PDCAサイクルを確立するのがねらいだ。体力が低い、低下している教委に専門家を派遣するなど、連携して体力向上の取り組みを支援する。

さらに、体育系大学等にボール投げ等、課題となる種目の向上に向けた運動プログラム、運動嫌いな子どもも楽しみながら取り組める運動プログラム、運動の大切さを科学的に説明する参考資料などの作成を委託する。