両手に花でした ノーベル受賞者が文科省を訪問

メダルを手にする大村、梶田の両氏
メダルを手にする大村、梶田の両氏

スウェーデン・ストックホルムでのノーベル賞受賞式を終えた生理学・医学賞の大村智北里大特別栄誉教授(80)と物理学賞の梶田隆章東京大学宇宙線研究所長(56)の2人が12月15日、文科省を表敬訪問し、馳浩文科相に受賞を報告した。

大臣室では、馳文科相をはじめ義家弘介、冨岡勉の両副大臣らが出迎え、受賞式や晩餐会の話題で終始盛り上がった。

晩餐会のとき、席を移動してスウェーデン王妃と女王を両隣にして座ることができた大村氏は「両手に花でした」と笑いを誘った。

馳文科相からの「舞踏会では踊りましたか」との質問には、梶田氏が「長丁場ですので無理をしないようにしていました」と笑顔で語った。

大村氏は元高校教師。土中の微生物が作り出す有用な化合物を多数発見し、医薬品などの開発につなげたのが評価された。寄生虫による河川盲目症治療の特効薬となった「イベルメクチン」は、アフリカなどで無償で供与され、世界で年間3億人を、失明の危機と恐怖から救っている。

梶田氏は、物質の元になる最も基本的な素粒子のひとつである「ニュートリノ」を研究。質量ゼロとされていたが、質量がある事実を、地道な観測と分析により、世界で初めて明らかにした。

岐阜県飛騨市の旧神岡鉱山内にある巨大な実験装置ハイパーカミオカンデで、ニュートリノが種類の異なるニュートリノに変わる「振動」を捉えた。これが質量がゼロでない証拠となった。これは、それまでの素粒子物理学の標準理論の見直しを迫る、画期的な研究成果だった。