高3に時間はわずか 選挙制度など主権者教育急げ

副教材「私たちが拓く日本の未来」。右側は指導資料
副教材「私たちが拓く日本の未来」。右側は指導資料

文科省は12月15日、発達段階に応じた「主権者教育」の在り方を話し合う検討チームの第2回会合を開いた。来夏の参院選から「18歳以上」による選挙が実施されるが、高校3年生は、大学受験もあり、卒業までに主権者教育を受けられる期間が、実質的にたいへん短い。若者の投票率を上げるためにも、主権者教育の実施が急がれる。

そんな中で、高3に向けた主権者教育の充実や期日前投票の仕組みなどの選挙制度を指導するよう、来週にも通知を発出する見込みだ。

この日の会合では、総務、文科両省の担当者が議論を交わした。今月中旬に全国の高校に副教材が届いているとして、主権者教育の先進的なモデル授業や、(公財)明るい選挙推進協会と連携した指導など、具体的な手法を含めて全国の高校に通知する。

特に、大学や専門学校への進学に向けての住民票の取り扱いについては、具体的に説明するように求める。公職選挙法では、3カ月以上市町村の区域内に住所を有する者が、選挙権を有する要件の1つとなっている。進学に際して現在の住所地を離れて住む場合、来夏の参院選では、少なくとも4月には住民票の異動手続きをしないと間に合わない。総務省によると、大学生の住民票移動は約3割だという。こうした手続きを周知徹底していかなければ、若年者の投票率を上げるのは難しい。

座長を務める義家弘介文科省副大臣は「総務省とすり合わせながら、住民票の手続きについて通知に盛り込む。18歳の若者が選挙の3カ月前である4月にどう判断をするのか決めてもらうしかない」と語った。

検討チームは今後、次期学習指導要領で検討されている新科目「公共」の取り扱いや、副教材「私たちが拓く日本の未来」の内容をどうグレードアップしていくか検討を始める。加えて小・中学生も親の投票に随行できるよう、公職選挙法改正も視野に入れる。現行法では、幼児のほか選挙権をもつ障害者の補助者でないと投票所には入れない。