高校通級の問題洗い出す 中学からの引き継ぎを

生徒が抱える困難を共通理解しようと提言した
生徒が抱える困難を共通理解しようと提言した

文科省の高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議は、第3回会合を12月15日、同省で開いた。高校通級指導の制度化の意義と制度設計の方向性について、課題や懸念内容などをまとめた論点整理から考えた。意見交換では「通常学級との相互指導などを踏まえ、単位認定の仕組みをどうするか」「通級指導について保護者、生徒が気軽に相談できる機会や場を工夫すべき」「生徒の状況を中学校段階から継続的に記録、継承、把握するための仕組みづくりを」など、高校通級指導の問題が洗い出された。

今会合では、論点整理として示された課題や必要な対策などの視点を踏まえ、同制度化の意義や指導の制度設計について意見を交わした。

論点整理で挙がった制度化の意義や課題では、▽通級指導が制度化されている小・中学校と異なり、現状の高校の特別支援教育制度では自立活動に相当する指導ができない▽中学校で通級指導を受ける生徒は年々増加している。ただ、障害程度は比較的軽度で、大半の授業を普通学級で受けられる。障害による学習や生活上の困難を克服するための指導が必要な生徒に対して自立活動に相当する指導が行える制度を早急に整備する必要がある――などと問題を指摘。

通級指導の制度化に向けては、▽指導を受ける生徒の自尊感情や集団と離れて別の活動を行うなどの心理的抵抗感にも配慮が必要▽教委や中学校などとの協力で個別の教育支援計画の作成や引き継ぎ体制を構築――などの対策や制度設計上の視点が示されている。

制度設計についての意見では、「普通学級と通級との相互指導に際して、それぞれの学習の単位認定や引き継ぎなどの仕組みや進め方をどうするか」などの考慮点が挙がった。生徒と保護者へのガイダンスの在り方では、「生徒、保護者は相談自体を躊躇する状況がある。構えすぎずに思いを気軽に話せる仕組みが大切」などの意見が出た。

生徒に関する情報収集や行動観察では、「生徒と対話を重ねる中で、抱えた課題を軽減していく事例が多い。生徒と関わり対話を深める相談機会や場の充実を強く示したい」「生徒の学習などのつまずきは高校段階でいきなりあらわになるわけではない。生徒の中学校段階での学びの状況などを把握し、個別の適切な支援につなげる文書作成や引き継ぎ体制は重要」などの声も出た。

教員の指導の専門性では「障害を抱えた子どもたちは、『おおよそ』『大体』など、曖昧な意味を含んだ指示の理解が困難。そうした認識を教員が共通してもち、課題意識や指示方法の共有化を図る必要がある」などが挙がった。

高校現場からは「教員の『特別支援教育』への理解が乏しい。個々の生徒の課題把握や観点が的確でない点がある」とされた。「個別の生徒への指導計画作成を促しても、大ごとにとらえすぎたり、必要な書式や内容にこだわるあまり、作成自体を躊躇したりする状況も生じる」などの傾向を話した。その上で「計画書という仰々しさを打ち消し、記録は生徒の日々の学びの様子や気付きを簡易に記したものにする。教員の見取りの力を高める」という記述や目的の工夫も提言した。