ICT治具でサイト制作 インクルーシブ×キャリア

ウェブサイト制作に取り組む生徒たち
ウェブサイト制作に取り組む生徒たち

星槎学園中高等部北斗校(渡辺保子校長)は12月15日、高等部のマイキャリアデザインプログラムの授業を公開した。横浜市にある同校は、多様な課題のある生徒が多く通学している。本時は、ダンウェイ㈱(高橋陽子代表取締役)が開発したICT治具を用いて、オリジナルウェブサイトの制作に挑戦。インクルーシブ授業を行った。

このカリキュラムは、川崎市の新機軸、ウェルフェアイノベーションの一環。同校と同社は、ICTを活用した新たな教育カリキュラムの開発について実証に取り組んでおり、キャリア教育の位置付け。発達上の課題と向き合ったり、不登校を経験したりしながらも、ユニークで多才な生徒たちが、職業選択の可能性を広げていく実証授業を、全15回で行う。

授業に参加したのは、ウェブデザインコースを選択する高1から高3までの生徒20人弱。

制作するのは、横浜市や川崎市を紹介するウェブサイト。クラスは5チームに分けられており、チームの希望によって4チームは横浜市、1チームは川崎市のサイトを作っていった。

観光、グルメ、歴史など、どのジャンルを載せるかは、生徒自身で決める。チーム内で、それぞれが自分の意見を出し合って協働する。生徒たちは前時までにサイトの試作を終えており、改善点を確認。本時では、サイトをより良くするために手直しをした。

同社のICT治具は、パズル感覚で直感的な操作性と、シンプルな機能構成で、誰もが簡単にウェブサイトを制作できるのが特長。ログインの方法は、パスワードに決めた動物のキャラクターを、乗り物の絵にドラッグすればよい。クリックする箇所も、「保存」「決定」は青、「キャンセル」は黄、「削除」は赤など、信号機のように分かりやすく色分けされている。1人でも、複数人で作業を分担しても、1つのサイトを作っていける。これに、同校の生徒向けにカスタマイズしたテキストを併用し、授業を進めていった。

このカリキュラムで同校が大事にしているのは「チーム学習」。学年や、パソコンの得手不得手を超えて、チームで話し合い、協力して作業をする。異学年の生徒が合同で取り組むのも、欠席などで作業が遅れている生徒が参加するのも、ICTを活用すれば可能になる。

この実証授業は、「ICT利活用」と「キャリア教育」と「インクルーシブ教育」を同時に行う画期的な取り組み。個人授業のようになりそうだが、チーム学習を重視するため、一体感が生まれる。

授業に参加する生徒は「サイトを作るのは初めて。文字の大きさを工夫している。写真にもこだわった。学校での活動を通して、パソコンを使うのが当たり前になった。自宅でもワードやエクセルを使うようになった」と、自分が作ったウェブページを、うれしそうに見せた。