人間性も即戦力もと期待 産業教育WG

水産高校の魅力を語る委員
水産高校の魅力を語る委員

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の産業教育ワーキンググループ(WG)第2回会合が12月16日、東京都港区の三田共用会議所で行われた。議題は、職業に関する各教科の現状と課題。委員がそれぞれ専門とする科の実態と課題、展望を述べた。

群馬県立勢多農林高校長の福島実委員は、専門高校からの進路について「専門高校は社会で即実践できる人材を育てる完結教育が前提だったが、時代の流れとともに進学希望者が増えるのは当然。15歳から18歳までの感性豊かな時期に専門分野を学び、さらに進学して発展させるのも大事」と、専門高校から進学する道を確保する重要性を語った。

地方創生とグローバル化については、農業分野でできる取り組みとして、地域の伝統食材や貴重な資源を収集・保存し、さらに付加価値をつけて商品開発を行うなど、独自産業に対応していく方向性を示した。

愛知県立三谷水産高校長の丸﨑敏夫委員は、「水産高校は地域産業と関連が深い。地域から期待されている」と述べ、漁業に就くだけでなく、水産海洋教育を受けた生徒に期待して企業が迎え入れるケースが多いと主張。「前回、中学校から高校への接続の問題で、専門高校への進路選択がうまくいっていないとの意見があったが、地域や保護者は、水産高校の多様な取り組みを知り、興味を持ってくれている。ここで学べば人間性が育つのではないか、と期待して入学してくる」と水産高校の価値を力説。食の安全などの面から見ても、水産物には期待できるとし、水産高校の将来性をアピールした。

全日本中学校技術・家庭科研究会顧問の三浦登委員は、「ただ植物を栽培して観察するのではなく、『クリスマスにチューリップを咲かせる』などの目標を持って実践し、達成したときに喜びを感じる。そのような経験をした生徒たちが、将来、進路を考えたとき、農業高校が選択肢に入る。就職のためではなく、目的を持って専門高校に行けるのではないか。中学校では、その目的意識を持たせるような授業を行うのが課題になる」と語った。

(一社)埼玉県経営者協会シニアアドバイザーの野上武利委員は、「大多数の中小企業は専門高校の卒業生を雇用している。今は、中小企業でも海外に進出。技能と技術、共に身に付けた人材が必要。現場の声を聞くと、大学の工学部や理学部の出身者よりも、高専出身者が重宝される実態がある。専門高校でもそのように活躍できる人材育成ができれば」と、即戦力の育成を促した。

㈱ニチレイ相談役の浦野光人主査は、議論の中で委員から意見が出た施設の老朽化について、文科省にデータを集めるよう要請。「どの科にも共通して言えるが、専門高校には実験設備などの資産がある。現場にはどのくらい資産があって、活用できているのはどの程度か、データが欲しい。もし大きな問題があるのなら、産業界全体として考えなければいけない」と訴えた。

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