教職課程で特別支援の基礎を 親の姿勢が大切

現状の課題、教則課程への要望などが語られた
現状の課題、教職課程への要望などが語られた

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の特別支援教育部会第3回が12月16日、都内で行われた。委員からは「特別支援教育や合理的配慮の知識がない保育者がいる」「教員を目指す全ての人に特別支援教育の基礎科目を学んでほしい」など、教職課程への要望が語られた。

委員の発言は、次の通り――。

会議冒頭で発言した、金谷京子聖学院大学人間福祉学部教授は「幼児期の特別支援教育」について話した。

幼児期、ことに3、4歳児では、4月生まれと翌年3月生まれで個人差が大きく、アセスメントが難しい。入園当初から支援するといいのだが、乳幼児検診結果を求めても個人情報なのでたいてい断られる。地域で取り組めるよう、早期支援コーディネーターの活用が求められる。

保護者は、子どもの発達課題を、幼さ、未熟さに帰属させる場合が多い。ADHDなどは、家では落ち着いているが、集団になると刺激が多く適応できない。保護者の理解が得にくい。コミュニケーションに工夫が必要。特別支援教育や合理的配慮の知識がない保育者がいる。養成段階で学ぶようにしてほしい。

支援が必要な幼児がいても加配がなく、担任だけでは十分な対応がしにくい。園全体で取り組むようにし、保育者が連携する必要がある。個別の支援計画もほとんど作成されていない。小学校への移行支援ツールにもなるので、長期的、短期的視点から、園と保護者で作っていくといい、と現状を語った。

これに対し、村上由則宮城教育大学大学院教育学研究科教授は、「幼児教育の中で発達検査はどれくらいしているのか。3歳時点でグレーゾーンだった子がキャッチアップする場合もあれば、気にしていなかった子でその後、症状が出る場合もある。そのうち育つからと言っていては、気付くのが遅くなってしまう」と、危惧を語った。

金谷教授は「子ども自身の困り感を正確に判断するのは難しい。園の中での行動をチェックし、子どもがこんなことで困っていると保護者に伝えるのが大事。小学校も通常学級でいいとする保護者に、子ども自身の困り感を考えてほしいと助言している」と、保護者から理解を得るために、行動チェックリストを作成しているとした。

その後、事務局が作成した「各教科における障害に応じた配慮事項」についての意見交換が行われた。

山中ともえ東京都調布市立調和小学校長は「小学校は1人の教師が全ての教科を教える。担任が対象児を把握できないと適切な対応が難しい。深くアセスメントできていない場合がままある」と、担任によって対応が異なるとした。

「障害者理解の促進や交流および共同学習について」も取り上げた。加藤正仁社会福祉法人「からしだね」うめだ・あけぼの学園長は「幼い子どもが障害のある子どもと交流したら、家に帰って親に話すだろう。そのとき保護者がポジティブな対応をすればいいが、逆だとかえって偏見や差別を植え付けてしまう」と親の考え方や在り方が大切だと話した。

古川勝也長崎県教育センター所長は「教員養成課程で教師を目指す全ての人に特別支援教育の基礎科目を学んでほしい。通級指導、特別支援学級に加配がなかなかつかない。教員定数に、ぜひとも加えてほしい」と要望した。