中学生が伝統の焼酎づくり キャリア教育で表彰

学校のユニークな取り組みなどが表彰された
学校のユニークな取り組みなどが表彰された

新しい時代に向けたキャリア教育を考えようと文科・厚労・経産の3省は12月17日、国立オリンピック記念青少年総合センターで、平成27年度キャリア教育推進連携シンポジウムを行った。

冒頭、主催者挨拶に立った馳浩文科相は、「新しい時代が求めている人材を、学校教育を通して育成している。そうはいっても、育てている人材と社会が求めている人材にミスマッチが生じているかもしれない。専門的な能力を持った人材を育てる教育機関、訓練機関としての役割を果たしていきたい」と、教育が果たす役割を指摘。

ふさわしい人材像としては、「自分から進んで取り組む姿勢、円滑なコミュニケーション能力、十分なネットリテラシーなどが総合的に求められている」とし、こうした資質の育成のために責任を果たしていきたいと話した。

続いて第9回「キャリア教育優良教育委員会、学校及びPTA団体等文科大臣表彰」が行われた。表彰されたのは、7教委、17小学校、26中学校、35高校、3特別支援学校、9団体。

うち、新潟県胎内市立中条小学校、鹿児島県日置市立日吉中学校、宮城県石巻北高校が、馳大臣から文科大臣表彰を受けた。

中条小学校は、ふるさとへの思いを育てようと、3年生以上が総合的な学習で農泊体験、特産品PRプロジェクトなどを実施。地域の人たちと関わりながら特産品フェスティバルを行った。

日吉中学校は地元企業、保護者の協力を得て、芋や米作りから伝統の焼酎づくりを行い、「My焼酎」を卒業記念品として受け取っている。

石巻北高校は、開かれた学校づくりの一環として、校内に交流広場販売所を設置。地元食材を生かした商品開発や販売を行っている。

審査委員長を務めた三島良直東京工業大学学長は、「東京工大を見ていても、学生たちは目標や夢を持って勉強するというよりも、どこの企業に入れるのかを考えて単位を取っている。しっかりとした動機付けをもって学業をスタートさせてほしい。グローバル化の中で若者は、世界の人たちと交流していかなければならない。協調性やコミュニケーションスキルに加え、専門以外の文化や教養が必要となる。問題を解決したり新しい道を切り開いたりする力、積極的な姿勢がほしい。小・中・高校におけるキャリア教育の重要性は大きい。子どもたちには夢を持ってほしい。世界の人たちと一緒に仕事をする人材になってほしい」と期待を寄せた。

表彰式後には、「新しい時代に向けて社会とつくるキャリア教育」をテーマとしたシンポジウムが行われた。

藤田晃之筑波大学教授は「キャリア教育は将来にどんなイメージを持って生きていくのかを考えるもの。人生を豊かにする」と語った。

また古前勝教広島県立福山誠之館高校長は「子どもの本質は昔も今もかわらない。学校、地域、家庭の在り方が変わった。その中で、あいさつやマナーなど、子どもたちに学ばせる場を用意してこなかった。今こそ、学校と家庭、社会、企業がきちんとつながっていくのが大事。人のため社会のために何かする、役に立ちたいと思う心を育てるのが重要」と、キャリア教育の意義と重要性を話した。