アプリ版・東京ベーシック・ドリル 基礎定着に一役

タブレット端末を使用して計算する児童
タブレット端末を使用して計算する児童

東京都多摩市教委は12月18日、同市立北諏訪小学校の児童が「アプリ版・東京ベーシック・ドリル」を活用する授業を公開した。同アプリは、同市に拠点を置く㈱ベネッセ・コーポレーションの協力を得て開発し、完成。タブレット端末の配備が完了した学校が先行し、今年11月から活用を始めている。

「東京ベーシック・ドリル」は、都教委が作成したドリル。小学校1年生から4年生までの国語・社会・算数・理科の基礎・基本について、学習内容の定着を図る狙いで作られた。都内の小学校では、データをプリントして紙の教材として使用している。同市は、その「アプリ版」の開発に取り組み、活用を始めた。

アプリには、自動採点および集計、写真コンテンツのカラー収録などの特長がある。

内容には、都教委が作成した本来のドリルに加え、同社作成の漢字の問題も含まれている。同社が持つ多様なノウハウが生かされており、問題を解くとポイントが加算されたり、連続正解するとより多くのポイントがたまったりするなど、児童の学習意欲を高める仕組みがある。

この日は、4年2組の児童がタブレット端末を通して活用した。教科は算数。単元の導入の一部として、関連する内容を復習するために使用された。

チャイムが鳴ると、児童の多くは早く端末を操作したくて仕方がないという様子。教員から操作の合図が出ると、一斉に計算を始めた。黙々と取り組み、それぞれのペースで計算していく。端末には1問ずつ表示されるが、余白部分には文字が書き込めるようになっており、児童はそこに自分の指で筆算の経過を書く。1問解くごとに正否が分かる。つまずいた児童に教員が声をかけ、小さいホワイトボードを使用し、隣で一緒に解いていく場面もあった。

同校では、授業中の短時間と補習時に同アプリを活用。問題の解説ページは、現在、同社が開発中で、完成すればより使い勝手がよくなる。

同市は、平成27年度から3年間にわたり、都教委から「学力ステップアップ推進地域」の指定を受けている。これまで全国に先駆けて推進してきた「ESD」と「学力ステップアップ推進地域事業」を、車の両輪のように位置付け、児童一人ひとりに確かな学力を育んでいる。今まで印刷して使っていたドリルを、デジタルで使用すれば、紙の節約につながり、これはESDの視点ともいえる。

アプリ版の開発は、教員の指導力を向上させ、児童の基礎学力を定着させるのが目的。これを用いれば、児童が1問解くごとに自動採点され、教員の負担は軽減。児童も、自分の採点順が回ってくるのを待つ必要がなくなる。教員用の画面では、児童全員の解答状況を即座に確認でき、その履歴が蓄積されるので、後の指導に生かしやすい。

漢字の「書き」問題には、同社がもともと持っていた技術を提供。画面右側に児童が書いた漢字と、画面左側にある手本を見比べながら、児童自身が筆順や画数の違い、とめ・はねのミスに気付ける仕組み。間違えたら、手本を再生し、正しい書き方を学べる。

同市は、都教委から来年3月に発行される予定の中学校版「東京ベーシック・ドリル」についても、アプリ版にして活用する計画だ。

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