自律と相手意識 社会に出て再現性のある学びを

方眼ノートに学びを視覚化
方眼ノートに学びを視覚化

ノートを視覚的に整理し、考え、伝えるものに。相手に届く言葉でプレゼンテーション。ビジネス手帳で学習や活動の時間を見える化――。

東京都千代田区立麹町中学校(工藤勇一校長、生徒数342人)は12月18日、「自律した学びの促進~目的意識・他者意識を重視した言語活動を通して」と題して、同区教委研究協力校研究発表会を実施した。

1年生の授業公開、企業の協力による2年生の「クエスト・エデュケーション」、全体会、分科会が行われた。

授業公開では、英語、理科、社会科が行われた。

英語では少人数授業で、電子黒板などを活用しながら、教員からの英語による指示で、生徒はてきぱきと会話などを練習。

理科では、「音の世界」の単元で、ギターやティンパニーや防犯ベルと真空ポンプの組み合わせなど、教員による工夫で、音が伝わる仕組みを興味深く学ぶ。

社会科では、歴史的分野の単元「ヨーロッパ人との出会いと全国統一」で、「長篠合戦図屏風」を資料として、戦国最強とうたわれた武田騎馬軍団を破った馬防柵や鉄砲隊などの信長軍の秘策について読み取り、班ごとに発表するなどの活動に取り組んだ。PISAが求めた非連続型テキストの読み取りだ。

生徒らは、個人で考えを深め、グループで意見を交換し、同校が力を入れている方眼ノートに書き込む。ノートは見開き2ページ。左ページに板書の内容、右ページの左半分には気付きや疑問、右半分には疑問への答えなどを書く。方眼なので、図表が書きやすい。終末では、授業を振り返りながら、本時の学びに大見出しを1本、小見出し(学びのポイント)を3本、ノート上方の欄に書く。そのノートを提出する。

こうしたノート整理によって、「覚えるノート」から「考えるノート」へ、さらに「伝えるノート」へと進化させ、深化させる。学びが見える化され整理されているので、自分には何が分かっていて、何が分かっていないのか、どんな学習活動を展開したのかなどが、よく分かる。

また、同校が力を注いでいる「学びと社会のつながり」については、「クエスト・エデュケーション」を公開。6企業が協力し、各企業が実際に展開している各種プロジェクトに関連した提案を、生徒の視線から考え、プレゼンテーションを行う。実社会そのものを模した情報収集力や企画力や探究力、協働性や表現力が問われる。

全体会では、工藤校長が自校の研究について「ノート指導や企業とのコラボなどは、研究のための研究ではなく、学校経営として、全校で取り組んでいる。要となるのは、自律した学びと相手意識。この中で、社会に出たときに実際に活用できる、再現性のあるスキルを身に付けさせたい。方眼ノートの活用、ビジネス手帳で学びや活動を見える化、相手に届く言葉、つまり相手意識をもったプレゼンテーション。これらにそれがあらわれている」

「修学旅行には、旅行会社が行う旅行企画のパンフレットづくりを行った。そのために旅行会社が、写真の撮り方や訪問先での取材の仕方などを教えてくれた。生徒のプレゼンテーションを見た旅行会社の関係者は、生徒の活動に目を見張った」

「方眼ノートをはじめ、さまざまな場面で、いろいろな、その道のプロが力を貸してくれている。10月に、本校で45年ぶりとなる文化祭『麹中祭』を開催した。プロのアナウンサーの協力で、学校紹介の映像作品を作った。素敵な作品に仕上がった。文化祭の企画・運営は、教員らが力を貸しながらも、生徒自身で行った。文化祭は、人を楽しませるものにしようと盛り上がった」

などと話した。

この後、分科会では、自律を促す個の学び、協働の学び、プレゼンテーション指導についての協議が、参加者とのディスカッション形式で行われた。