バットはこう振ろう 特支で元プロ野球選手が指導

一人ひとりが活躍できる活動を工夫した
一人ひとりが活躍できる活動を工夫した

「プロ野球の選手だった人に教えてもらったよ!」

埼玉西武ライオンズの元選手、鈴木健さんと三井浩二さんが埼玉県立越谷西特別支援学校(伊藤えつ子校長、児童生徒数225人)を訪れ、ティーボールの練習やゲームなどを楽しむ特別授業を行った。同校高等部の2年生30人が参加し、2人からアドバイスを受けてバッティングや守備練習に汗を流した。2人もゲームに加わり、見事な打撃を披露。守備では「互いに声を掛け合おう」とチームプレーの重要性を呼びかけた。

2人が同校を訪れたのは、12月17日。「ふれあいティーボール教室」と題した特別授業を校庭で行った。

ティーボールでは、バッティングティーに置いた静止した球を打つため、障害を抱えた生徒たちでも、安心安全なプレーが楽しめる。

指導する鈴木さんと三井さんが紹介され、活動の説明があった後、2チームに分かれ、2人の助言を聞きながら、打撃や守備練習を重ねた。

打撃練習では、ティーの上のボールをよく見てバットの中心にしっかりあてるためのスイングを実演や、手取り足取りの指導を織り交ぜ進めていった。合間には2人と同校教員、生徒がバッティングで長打対決する催しも交えた。生徒はティーボールに興味を深め、夢中になった。

練習後はゲームを行った。全ての生徒が参加できるよう「攻守チェンジは全メンバーがバッティングを終えてから」「守備のアウトカウントは、フィールド中央に設置したカゴに野手が捕球したボールを入れた段階で成立」などの特別ルールによって進めた。

生徒、教師、鈴木さん、三井さんが加わって進めたゲームは、大歓声の中で、どの生徒も夢中になってバットを振り、ボールに向かっていった。良いバッティングにもかかわらず、バットを持ったままベースを大きく回って走る生徒も。守備では、メンバー全員が打球の行く方に群がってしまうので、2人は「打球の方向を確認しながら、互いに声を掛けて、全員で良い守備をしよう」などとアドバイスをおくっていた。

2人は、元プロ野球選手として見事な放物線を描く打球を飛ばし、ホームベースで生徒たちと喜びのハイタッチを交わし合う、和気あいあいとした活動となっていた。

活動終了後は、生徒が感想を発表し、2人にいろいろと質問して交流した。

生徒からは「チームメートと協力してプレーする大切さを教わり、反省した。どうすれば協調性が身に付きますか」などと質問。笑いが起こる中で、2人は「チーム全体で話し合う機会を大切にするといいよ」などと答えていた。

高松健雄教頭はこの活動について「校外の人との関わりが少ない生徒たちに、さまざまな体験の機会が持てて良かった。仲間と思いきり体を動かしながら、体力づくり、思い出づくりにもつながったと思う」と意義を振り返る。

この特別授業は(一社)埼玉県障害者スポーツ協会が主催し、提供する「出前型教室」への応募を通じて実現した。同協会は、プロ選手などの指導を交えた出張授業をティーボールで年4回、サッカーで年6回、県内の特別支援学校などに提供している。