中教審総会で3答申 馳文科相に手交

3本同時の答申手交となった
3本同時の答申手交となった

中教審第104回総会が12月21日、省内で開かれ、3つの答申が北山禎介会長から馳浩文科相に手交された。

答申は「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」。

「教員の資質向上」では、養成段階、採用から1~数年目までの段階、中堅段階、ベテラン段階ごとに教員養成指標が示された。「教員は学校で育つ」の考えのもと、学び続ける教員を支えるキャリアシステムを構築していく。

「チームとしての学校」と「学校と地域の連携・協働」が現実になると、学校そのものがコミュニティ・スクールとなり、「学校運営協議会」が「チームとしての学校」を支え、「地域学校協働本部」とともに、地域社会の中で学校を運営していく。

地域には「地域学校協働本部」が置かれる。「チームとしての学校」には校務分掌として「地域連絡担当教職員」(仮称)を置く。

「地域コーディネーター」が窓口となり、「地域連絡担当教職員」と連携・協働する。

学校には多様な専門スタッフが配置される。想定されているのは、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)、部活動指導員など。教員は本来の授業や生徒指導に注力できる。

答申を受け取った馳文科相は「教育改革の中でも本丸といえる答申。文科省として必要な制度改正などに速やかに取り組んでいきたい」と語った。

教育制度分科会の小川正人会長・東京大学名誉教授は「これまで日本の学校は原則、教員によって運営されていた。それは高いパフォーマンスで、メリットも大きかった。だが、社会の変化の中で、単一、同質の価値観や考え方のモノカルチャーでは困難が生じてきている。今後も教員が中心であるのは変わらないが、さまざまな形での連携、協働が不可欠。今回の答申は学校の文化を変えていく力になる」とし、学校像が大きく転換されると話した。

小原芳明玉川大学長は「教員の研修に関しては、養成する大学、採用に関わる教委、現場教員の研修と、それぞれ異なった面がある。この答申が教員の資質向上のスタート地点になってくれれば」と期待を寄せた。

中根滋(学)東京理科大学前理事長は「今回の答申は、地域における教育ビジョンを示しておりスケールが大きく意義深い。教育が学校、家庭、地域で行うとの再確認となった。絵に描いた餅で終わらせないようにしたい」と、実現に向けて期待を寄せた。

また小室淑恵(株)ワーク・ライフバランス代表取締役社長は「教育のICT化、アクティブ・ラーニングなど新しい教育が議論される中で、中教審や分科会がIT化されていない。会議で実践していかないと現場までは届かないのではないか」と会議のICT化を要望した。