実際か感度低下か 都のいじめ認知2年連続減

東京都教委がまとめた今年度の公立学校における「いじめの認知件数および対応状況把握のための調査」によると、認知件数は全校種で、2年連続で減少していた。

調査は、4月1日から6月30日にかけて実施。最終日を基準日とした。対象は、都内の公立小学校1292校、中学校627校(中等教育学校前期課程6校を含む)、高校192校(237課程、中等教育学校後期課程6校を含む)、特別支援学校62校。

いじめの認知件数は、全校種で、2年続けて減少していたが、都教委は、実際にいじめが減少したのか、いじめを認知する姿勢が弱くなったのか、多角的に検証する必要があるとした。またいじめの認知は「学校いじめ対策委員会」が、いじめの定義に基づき判断するのを徹底するとした。

調査から明らかになったいじめの態様は、小・中・高校で「冷やかしやからかい」が50%台から70%台で最も高く、次いで「軽くぶつかられた」がくるが、冷やかしのおよそ8分の1から3分の1以下。特別支援学校では、冷やかしと「嫌なこと」が同率の40.0%。高校・中等教育学校では、パソコンや携帯でいやな思いをさせられている割合が38.5%と高くなり、他の学校種との違いを見せている。

都教委は、いじめが比較的軽微な段階で認知されているのが分かるほか、いじめを初期の段階で防止できた事例と重篤化した事例を検討し、早期発見のための取り組みを検証する必要があるとした。

また高校以外では比較的に低かったパソコンや携帯でのいじめは、校種が上がるごとに増加。情報モラルに関する指導を徹底したり、「SNS東京ルール」を踏まえ、児童生徒が主体的に学校ルールや家庭ルールを策定したりする重要性を示唆した。

認知したいじめのうち、「学級担任が発見」した割合は、全校種で昨年度より増加。小学校では19.7%から24.4%へ、中学校では11.2%から17.1%、高校では14.8%から15.4%へ、特別支援学校では20.0%から40.0%へ。いじめへの対応についても、小・中・高校では「学級担任が個別に対応した」割合が、6割台から9割台で最も高い。教員とスクールカウンセラー(SC)が連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、全校種で増加。教職員一人ひとりの鋭敏な感覚で、いじめの萌芽に気付き、他の教職員やSCと情報を共有するなど、学級担任はいじめへの対応を一人で抱え込まないようにするのが重要だと、都教委はまとめる。

一方、教職員が把握した情報を共有するための工夫をする学校は増加したが、都教委はまだ不十分とし、記録の保存や引き継ぎを学校ごとに徹底するよう求めた。

都教委は今後、現行の「いじめ総合対策」の改定案を来年7月に、最終答申として出し、同年12月には、「いじめ総合対策改訂版(仮称)」を策定。29年4月から、それに基づいた取り組みを各学校で開始する計画。