記述問題イメージを例示 大学入学希望者学力テスト

会議では「あくまでも一例」として作問が示された
会議では「あくまでも一例」として作問が示された

平成32年度から導入予定の「大学入学希望者学力テスト(仮称)」記述式問題のイメージ例が、12月22日、文科省内で開かれた高大接続システム改革会議で示された。教科は国語、数学、英語。

国語の問題イメージ例の1つは、公立図書館の可能性などについて記した1400字程度の新聞記事を読み、得られた情報を取捨選択したり、自分の考えを統合したりしながら新たな考えにまとめ、条件に合うよう記述する内容。テーマは「今後の公立図書館のあるべき姿について、どのように考えるか」。条件は、▽200字以上300字以内(句読点含む)▽2段落構成▽引用した言葉には「 」をつける。

数学では、学校の屋上から校庭に描かれた四角形を見る。屋上からの視点に対し、校庭を平面と考えた上で、この平面に垂直になるよう透明フィルムに校庭の四角形を写し取る。このとき、写し取られた四角形が正方形になる場合、校庭に実際に描かれた図形は等脚台形となる。その理由を説明する。

英語では、話す、書く、聞く、読むの4技能を評価をするため、民間の資格や試験と連携する方針。そこで、26年度の英語教育改善のための英語力調査事業出題問題が例とされた。

Writing問題として「インターネットなどを通して、多くの人と友だちになるのをどう思うか。意見と理由を20分で書きなさい」。

記述式導入の意義を事務局は、「解答を自ら考えることで思考力、判断力の発揮が可能。文章の作成を通じて思考のプロセスが自覚的になる。目的に応じた表現様式を用いることで表現力が図られる」と話した。

ただし、共通テストの性格を踏まえ、当面、高校で共通必履修科目である「国語」「数学」を対象とし、ことに意義が大きいと考えられる「国語」を優先させる。記述量は採点を加味し、最大300字程度とする。試験時間や採点期間の確保のため、記述式は別日程で行うのも含め検討していく。

説明を受け、高校の立場から発言した香山真一岡山県立和気閑谷高校長は、「記述式の採点を考えると、試験日程は現在よりも前倒しになるだろう。いま高校は秋に文化祭をして、その後、受験体制に入っていく。できればこの日程は維持したい」と要望した。

保護者の立場からは佐野元彦(一社)全国高等学校PTA連合会長が、「問題を見ると、かなり難しい。家庭でも問題意識を持って、日常的に話し合う場面が求められる。働きづめで子どもと向き合う時間がない家庭にとっては不利で、格差が広がるのでは」と懸念を示した。

事務局は、「今回は、思考力、判断力、表現力を問う観点を重視したので、難易度は考慮していない。あくまでも一例」とし、今後、難易度を含め、採点方法や試験の時期など、さらに討議を重ねるとしている。

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