公的役割高く国立との格差是正を 私大連が提言

(一社)日本私立大学連盟(会長・清家篤慶応義塾長)はこのほど、「これからの私立大学のあり方に関する提言」をまとめた。国立大学主体で進む最近の大学改革に懸念を表明するとともに、私立大学の立場を政府や経済界などに訴えるのがねらい。

提言は、私立大学が果たすべき役割は、「その時代」の社会に実際に役立つ技能を訓練することに限られるものではないと強調したうえで、「広い視野から時代の変化に対応できるよう教育することである」と説明している。

また経済のグローバル化などに対応した人材を育成するためには、「国際的に通用性のあるリベラルアーツ教育」が必要であり、それらの教育は理工系学部よりも「人文社会系科学もしくは理文融合分野」でなされていると、私立大学の果たしている役割を訴えている。

そのうえで、大学生の約8割を担っている私立大学の「公的な役割」は極めて高いとして、経営基盤の安定化のためにも公財政支出における国立大学との格差是正が必要であると、強く求めている。

最近の大学改革は、文科省の「国立大学改革プラン」などを中心として、社会に役立つ「即戦力」的な人材の育成、理工系重視の学部再編などが主流となっている。これに対して私立大学は、日本の大学生全体の約8割を抱えているにもかかわらず、人文社会系分野の大学・学部が多くを占めており、最近の大学改革の動きの中では、国立大学の後塵を拝しているのが実情だ。

このような中で私大連は、「政府や経済界が求める人材にだけ大学が集中することに対する違和感」が提言を作成した理由の一つになったと説明している。

提言の背景には、日本の大学教育を支えてきたという私立大学の誇りと同時に、国立大学優先ともみえる最近の大学改革の動向に対する私立大学の強い危機感があるといえそうだ。

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