調査無回答者は今何を? 不登校者の追跡結果を議論

事例発表では現状と課題が語られた
事例発表では現状と課題が語られた

フリースクール等に関する検討会議の第6回会合が12月22日、日本消防会館で開催された。不登校生徒に関する追跡調査の報告と、京都市・大阪府池田市両教委による事例発表を実施。それについての質疑応答や議論が行われた。

「不登校に関する実態調査~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書」について、事務局側が発表した。分析結果は次の通り。

○不登校は、「無気力型」「遊び・非行型」「人間関係型」「複合型」「その他型」の5つに分類できる。

○いったん欠席が長期化すると、その回復が困難である傾向がある。

○学校を休み始めた時期と長期化した時期との間にタイムラグがあるので、一定の「潜在期間」を経て不登校になると推測される。

○学校にいる相談員などを利用した割合が高いほか、教育支援センターや民間施設の利用も増えており、スクールカウンセラーの配置などを通じて、不登校生徒に対する支援体制が整ってきているのがうかがえる。

○前回調査(平成5年度に不登校だった生徒への追跡調査)と比べ、不登校経験者の高校進学率が65.3%から85.1%へと増加し、高校中退率は37.9%から14.0%へと減少。不登校経験にかかわらず、勉強が続けられるようになっている――など。

この調査結果について複数の委員から、「調査対象者が4万1043人、回答者が1604人。回答者が少なすぎてバイアスがかかっている」「アンケートに協力してくれなかった人に、協力をしない理由を問う項目がなぜなかったのか」「回答をしなかった人たちの方が、調査のターゲットとしては重要だったのではないか」「この種の調査に協力してくれるのは、学校との関係がよかった人や、今はうまくいっている人。回答してもらえなかった人たちの調査をなんとかしてほしい」「協力してくれなかった9割以上の人がどうなっているかが問題」などの指摘が相次いだ。

この調査は、平成18年度に中学校3年生で、学校基本調査で不登校に計上された者を対象に、本人と、本人が在籍していた中学校に対して行われたもの。文科省では、今後の不登校生徒への支援策の参考とするため、18年度に不登校だった生徒の5年後の状況などの追跡調査を、23年度から調査・分析していた。その報告書が今般まとまり、公表された。

事例発表を行った京都市教委は「京都市におけるフリースクール等との連携」、大阪府池田市教委は「公設民営スマイルファクトリー 池田市とNPO法人との連携12年」がテーマ。

それぞれが、子どもの居場所確保や、学習支援についての取り組みを語った。

京都市は、さまざまな民間団体と連携。市内に多くの大学があるのを生かし、学生ボランティアも活用している。学習補助、自然体験活動、ボクシング体験活動、保護者対象学習会など、多彩な事業を実施。家から出られない子どもには、ICTを活用した学習支援をしている。

今後は、地に足の着いた支援を行うのが課題。多彩な支援があり、選択肢が多いために、保護者がいろいろと渡り歩いてしまう面もあるという。どの子どもにどの支援が必要かをしっかり見立て、親のニーズと子どものニーズをすり合わせて、よりよい支援の構築を目指す。