小中一貫校で合同部活 互いに有用感と達成感

児童生徒が共に成長しあっている
児童生徒が共に成長しあっている

横浜市立小中一貫校霧が丘小中学校(酒井徹校長、児童生徒数1028人)は、一貫校の特性を生かして昨年11月から、同小6年生が同中学校の部活動に参加できる体制と取り組みを進めている。この活動を通して、小学生が早期に中学校生活に慣れ親しみ、同時に中学校教員とも顔なじみになるなどの効果を上げている。中学生も小学生への指導で、自己有用感を高めている。

同中学校の部活動は、テニスなどの運動系と吹奏楽などの文化系合わせて10部。放課後になると、同中学校に隣接した同小学校からランドセルを背負った児童たちが「お願いします」と元気にあいさつしながら、ぞろぞろやってくる。

吹奏楽部は活動が盛んで、大会で優秀な成績を残している。小学生にも人気が高く。児童20人が参加している。

児童らは、トランペットやティンパニー、トロンボーン、ファゴットなど、たくさんの木管・金管楽器を、胸躍らせながら手にする。大半の児童が楽器に触るのは初めて。その中で、昨秋から顧問の教師や先輩の中学生に丁寧な指導を受けてきた。取材した日には、パート練習と全体での音合わせなどを交互に繰り返した。真剣な眼差しで指示を確認し、練習を続ける児童の姿が印象的だった。

時には、地域在住の元教員が指導を担うなど、ボランティアの力も借り、地域ぐるみで活動が継続されている。熱心な指導と各自の懸命な練習の成果もあって、中学生に交じった小学生は、ぎこちないながらもみんなで吹奏できるまでに上達していた。

グラウンドでは、運動系部活動のテニス部や野球部などが元気よく掛け声を出し、汗を流している。

児童14人が参加するサッカー部では、中学生が見本を示しながら、ミニゲーム形式の練習などに取り組んだ。地域のサッカーチームに加わっている児童も多数いて、腕前はなかなかのもの。ただ、ドリブルやパス回しは鋭くても、体の大きさで中学生にはどうしても負けてしまう点がある。児童は、パスが通らずに悔しがりながらも、中学生に尊敬の思いを抱き、懸命にボールを追いかけた。

顧問の教員は「中学生はレベルが高い小学生のプレーに接して驚き、うかうかしているとレギュラーになれないといった危機意識をもって練習に励んでいる。互いに刺激し合いながら練習の質も上がっている」と話す。

酒井校長は、▽児童が早期に中学校生活の一端に慣れ親しむ▽児童が中学校入学前から先輩中学生との適切な人間関係を学ぶ▽児童が興味や関心をもつスポーツ、文化活動に取り組んでもらい、充実感や達成感を味わってもらえる――などが小中合同部活動の意義と話す。同時に、中学生にとっても、後輩の小学生との活動や指導を通じて自己有用感が高まっていると振り返る。

活動は、希望する児童が対象。現在、同小6年生全129人のうち約7割にあたる89人が参加している。指導体制は同小・中学校教員が共同であたる。小学校教員が中学校の学びや生徒を見る一方、中学校教員が中学校入学前から小学生と顔なじみの関係を築く中で、小中連携の教育活動があらゆる面で密になるとも話す。

参加している児童は、「とても楽しくて時間があっという間に過ぎてしまう」「『もうすぐ中学生になるんだ』と実感。中学校が身近に感じられるようになった」「中学生の先輩は自分の練習だけでも大変なのに、丁寧に指導してくれる」などと話す。

部活動の充実感に加え、中学生への敬意とそれに応えるべく努力する中学生との良い相乗効果が生まれている。

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