過酷ないじめと学校の無策 長崎の中3自殺で報告書

長崎県新上五島町で平成26年1月、町立奈良尾中学校3年生の松竹景虎さん(当時15歳)が自殺した問題で、町が設置した第三者委員会は1月6日、調査報告書を取りまとめ、「過酷ないじめを受け続け、それが原因で自殺した」と結論づけた。学校の対応を「極めてずさん」と厳しく非難した。

学校側は当初、「いじめはなかった」と否定していた。

報告書によると、3年生の1学期からいじめが始まっており、その過酷な状況が明らかになった。

学級委員だった松竹さんは、複数の生徒から「ウザい」「キモい」「出しゃばっている」などの陰口を言われた。時には「死ねばいいのに」と辛らつな言葉も浴びせられた。筆箱を床に何回も落とされるなどの嫌がらせもあったという。

LINEでも同様の悪口が繰り広げられ、松竹さんは、生きている価値がないと自殺をほのめかすメッセージを残し、孤立感を深めていった。
自殺当日には、いじめている生徒の1人に「ごめん さようなら」とメールを送っていた。

いじめを見逃した教員の不備にも言及した。夏休みの宿題である作文にいじめを示唆する内容が書かれていたにもかかわらず、気付けなかった。報告書では、「残念ながら、生徒の心からの叫びに気付かなかった」と記した。

学校の対応については、「いじめ予防・対策が不十分」と指摘。さらに生徒が通学のバスに乗っていないと判明してからも、何の対策も取られていないと非難した。

報告書を受け取った江上悦生町長は「貴い命を守れず、心からおわびする」と、弁護士を通じて遺族に謝罪の意を示した。

第三者委は、遺族と町がそれぞれ3人ずつ推薦した弁護士や臨床心理士など合わせて6人のメンバーで構成。約1年間で21回の会合を開いた。同級生や教員など56人から聞き取り調査を行った。

松竹さんのいじめをめぐっては、学校が自殺の翌日、全校生徒にアンケートを実施し、陰口などを把握したが、遺族には「いじめはなかった」と報告。その後、遺族にいじめがあったとの情報が入り、再調査で「いじめはあったが、原因とは断定できない」としていた。

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