高校生注目!図書館で学べ 科学者の世界観や人生観

定期的にテーマを変えて読書熱を高めている
定期的にテーマを変えて読書熱を高めている

東京都立中央図書館は、高校生に向けたシリーズミニ展示「高校生注目!~図書館で学べ~」を昨秋から、同館1階で行っている。高校生の読書やアクティブ・ラーニングの促進を願い、宇宙や科学など定期的にテーマを変えながら、関連本を特別展示している。今日1月8日から2月初旬には、湯川秀樹や牧野富太郎など4人の科学者の著書や世界観を独特の漫画で描いた『ドミトリーともきんす』を柱にした展示を実施する。

『ドミトリーともきんす』(高野文子著、中央公論新社)は、科学者たちが集う架空のドミトリー(学生寮)を舞台に、寮母のとも子さんと娘のきん子ちゃんの案内で朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹の4人の世界観と著書の中の言葉を漫画で表現した本。今年度の「高校生書評合戦東京都大会」(ビブリオバトル)で、印象深い本として推薦されたのも背景に、同書とその中に登場する関連本23冊を集めて展示する。

関連本は、朝永が原子力を軸に科学の功罪と責任について語った『プロメテウスの火』(みすず書房)、湯川が人生への問いや科学者の役割などを詩情豊かにつづった『科学を生きる』(河出書房新社)など。『ドミトリーともきんす』を読んで4人に興味を抱いたら、それぞれの著作をひもとき、科学者の自然観や世界観をさらに探究できるような展示を工夫する。

同ミニ展示をスタートしたのは昨年11月。テーマを変えながら、今後も継続的に実施する予定。同館の百澤俊平サービス部情報サービス課長は「高校生をはじめ若者にもっと本を読んでもらいたい。自らテーマや課題意識を持って探究的に学ぶ『アクティブ・ラーニング』の必要性が求められている中で、高校生の調べ学習の機会としても生かしてくれたら」と思いを示す。

同館では、高校の授業サポートとしてレポートのテーマ設定や資料調査のアドバイスなども行っており、豊富な蔵書をもっと活用してほしいと願っている。

過去の同ミニ展示では「宇宙に挑む」をテーマとした企画を実施。ロケット開発と研究、天文学や素粒子物理学、科学する心などに関連した書籍や雑誌など約30冊を揃えた。ロケットの部品開発を題材にし、テレビドラマでも話題になった『下町ロケット』(小学館)も展示。著者の池井戸潤さんの「誰かから仕事を頼まれたとき、あなたらしさを加えて返す。それが、『仕事にプライドを持つ』ということです」などの色紙メッセージも掲示し、多方面から宇宙に迫る本を多くの高校生が手に取っていたという。

昨年の第1回同ミニ展示では、今年度の「高校生書評合戦東京都大会」で準決勝、決勝に進んだ高校生の「お薦め本」など12冊を展示。『和菓子のアン』(坂木司著、光文社)、『日本文化私観』(坂口安吾著、日本近代文学館)など、高校生が興味を持った十数冊を集め、同世代の読書熱を高めていた。

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