生涯にわたる骨太の学力育成を 産業教育で意見

専門高校などの特色ある実践から協議を深めた
専門高校などの特色ある実践から協議を深めた

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の産業教育ワーキンググループは、第3、4回会合を1月8日、文科省で開いた。各地の専門高校や大学の学び続ける力の育成や独自の協働学習などの実践と、多様な企業人から求められる人材像や高校と共同した連携学習などが報告された。委員からは「産業界の一層のグローバル化を見据えた外国語教育の充実」「専門・職業教育を通じて生涯にわたって学ぶ力や骨太の学力育成を図る必要性」などの意見が出ていた。

両回会合では前半に、特色ある専門・職業教育を実施する各地の高校や大学が取り組みの概要を報告した。

県内唯一の看護高校である埼玉県立常磐高校は、平成26年度から指定を受けた文科省スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールを通じた実践などを説明。▽豊かな人間性▽確かな知識・技術▽科学的思考・判断力――の育成に向けて、ICTを活用した教材開発や大学などと連携した実践などを進める。多くの実習の一方、同校独自のICT教材「ナーシングスキル」をタブレット端末などで見て、看護技術の確認や予習に生かしているなどとした。大学の施設や指導者から学ぶ専門性の高い連携授業も実施。生徒の主体的、協働的に学ぶ力に向けたプロジェクト学習とそれぞれの学びの軌跡を可視化し、高い目標や気付きを深める学習ポートフォリオの作成や運用などについても話した。

金沢工業大学は、「自ら考え行動する技術者の育成」との教育目標の下で、学生自身が探究し、チームで問題解決する力を育む仕組みと実践を説明した。

基本コンセプトとして「プロジェクトデザイン教育」を導入。学力が異なる学生がチームで学びを進める。ニーズの把握や情報収集と分析、プレゼンテーションなどを段階的に経験し、地域社会の問題から各自が設定した課題に応える学習に取り組む。知識習得に加え知恵の活用力を重視し、習熟度、人間力、技術力の3つの軸での評価なども工夫しているなどとした。

実践報告に続き、後半は委員が意見を交換した。

日本のあらゆる産業界が一層のグローバル化の波を受ける中で、専門高校でも英語などの外国語教育の充実が重要になるという意見や、受験を軸にした剥落しやすい学力育成でなく、専門・職業教育を通じて、必要性や気付きを実感した骨太の学力育成を大切にしたいなど、生涯を通じて学ぶ力の礎にもなる専門高校ならではの教育内容の充実が重要とされた。

また重視したい3つの学びの視点として、▽集団やグループ学習の充実▽地域との連携学習▽学習者自身が気付きや修正を図る自己評価――を指摘。入学する生徒たちに「何のために学ぶのか」を意識させ、刺激や気付きをかき立てる学習内容の用意や目標設定への働きかけを行う重要性や、学校が産業界の求める人材像をしっかり理解した上で、それぞれの学習内容や方法を設定、実践する必要があるなどの提言も出ていた。

関連記事