教員養成システムに喝 生徒と英語でやり取りを

文科省中教審初等中等教育分科会教育課程部会は1月12日、外国語ワーキンググループの第5回会合を開いた。外国語教育の改善充実についての議論や、委員2人の発表などが行われた。

「外国語ワーキンググループにおける検討事項に関するこれまでの主な論点(案)」について、委員はさまざまな意見を交わした。

小学校高学年の外国語活動を充実させるには、現行の倍の70単位時間程度が必要との見通しに関しては、「もっと柔軟なカリキュラム設定を」との主張があった。

小学校の他教科は、必ずしも35単位時間の倍数で設定されているわけではない。教科によってさまざまな単位時間設定がされている。また35単位時間とはいっても、実際はもっと余裕がある。現場では、そのような幅のある中で授業が行われている事実を踏まえ、70単位時間が確保できないからといって即モジュール学習を追加する必要はないとした。「個々の学校で組み合わせを工夫して、柔軟な編成をすればいい」との意見があった。

ドリルなどの繰り返し学習をネガティブに捉える傾向に待ったをかける意見は、複数の委員から強調された。

小学校では、授業内には学校でしかできないまとまった学習活動をする必要があるとの考えが根強く、繰り返し練習するのをマイナスに捉える傾向がある。しかし、語学を教科として行う場合、繰り返しが必要なのは当然。授業かモジュール学習かは問わないが、学校内で取り組む時間を取るべきだとした。「授業内でドリルに取り組むのはマイナスではなく、むしろ今まで家庭学習や塾に任せていたから中学生、高校生になったときに差が出ていたのではないか」と言及する委員もいた。

教員養成の重要性も議論の対象になった。「先を見越せば、免許法の改正も踏まえて、教員養成のシステムをしっかりしておくべきだったが、現状は対応できていない。教員研修でしのいでいるのが現実」「これからコアカリキュラムを作って教員養成をしても、その教員が現場に出てくるのはずいぶん先の話。そもそも、小学校の外国語教育を理解してコアカリキュラムを使って指導できる教員養成大学の教員がどれくらいいるのか」と、厳しい指摘が続いた。

立教大学の松本茂グローバル教育センター長は、「中学校・高校の指導の現状と改善の方向性」を発表。中学校はクラス内、高校は学校間の能力差が大きい、1クラスの人数が多い、教員と生徒がともに国際的多様性に欠けるなどを環境上の問題として挙げた。

改善するべき方向性としては、高校卒業時にどの程度の力を備えるのが望ましいのか、ゴールを明確化する重要性を説いた。総語数が少ない、口語英語で使用頻度の高い語の使い方が身に付きにくいなど、教科書の問題点にも多く触れ、改善の方向性を示した。

酒井英樹信州大学学術研究院教育学系教授は、「中学校の改善の方向性について」を発表。生徒が学校の授業で行っているのは、▽訳す▽覚える▽教員の説明を聞く▽文法の問題を解く――が多く、自分の気持ちや考えを表現する活動は中2をピークに減少する事実を示した。

60%以上の中学校英語科教員が、授業の50%以上で英語を使っているという。だが、その内容は、生徒への指示や、褒めたり励ましたりなど一方的なものが多く、生徒と英語でやり取りできていないのを課題とした。

次回の外国語WGは、2月23日に開催予定。年度末から年度明けにかけて論議を取りまとめる方針。

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