言葉にこだわり議論 日本語以外を学ぶ利点はなに?

資料の文言について意見を交わす委員
資料の文言について意見を交わす委員

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は1月13日、言語能力の向上に関する特別チームの第3回会合を、文科省で開いた。国語科および外国語、外国語活動を通じた言語能力の育成について、委員が意見を出し合った。

主な論点は、次の通り。

▽言語に関する資質・能力を3つの柱で整理したたたき台について、①個別の知識や技能②思考力・判断力・表現力など③学びに向かう力、人間性などのそれぞれの整理は適当か。特に②について、「創造的思考(およびそれを支える論理的思考)」「感性・情緒」「他者とのコミュニケーション」のバランスは適当か。

▽この整理を前提に、言語に関する資質・能力を、言語に関する認知と思考のプロセスに着目して要素を整理したイメージ案について、「テクスト・情報の理解」「文章や発話による表現」のそれぞれの基本的な流れや要素は適切か。特に発達段階を考慮した場合、どのような違いが出ると考えられるか。

▽言葉の働き(機能)と仕組みを踏まえ、言葉の働き(機能)や言葉の仕組みに関する気付きの観点など、「国語科」と「外国語科・外国語活動」双方の学習により、それぞれの言語能力の向上に効果があると考えられる点は何か―― など。

これらの観点についての論議は、「配布資料にある『学び』や『気付き』という言葉に違和感がある」との委員からの指摘で始まった。他動詞を名詞化し、目的語の置き場がない用法に違和感があるという指摘には、賛同する委員が複数いた。

それについては、「『勉強』が『学習』に変わり、中でも自発的な学習を『学び』と呼ぶようになった」との意図のある歴史的な変遷を委員が共有し、現在の表現を据え置く方向となった。

他にも、「推測」と「推論」、「考え」と「思考」など、使い分けに関しての、委員の言葉に対する強いこだわりが見られた。その中で、「推測や疑問」は「推論や疑問」と表記を変え、「吟味と解釈」は「理解と解釈」に改める見込み。

また「どの発達段階をイメージしているものなのか」との疑問が挙げられた。これに対しては他の委員から「発達段階のイメージ案は学年に縛られるものではない。言語教育の大きな方針として位置付けられる」との意見が出された。「大人が『中等教育はここまで、高等教育はここまで』と縛らないほうがいい」との意見には、多くの委員が賛同した。

国語WGでは「外国語を学ぶと国語教育にどのようなメリットがあるのか」との意見が出ている。これについて、同チームで考えをまとめて国語WGに示す必要性を訴える委員がいた。その議論では、「自分の母語だけをやっていると、その切り分けが普遍なものだと思い込んでしまう。母語と外国語の対比によって、違いに気付く」との主張があった。

資料に示されていた日本語と英語の語順の自由度を説明する例文に関しては、「日本語と英語の例文が並行ではない。構図として不適切」と指摘された。他の例文でも、父親が、電話が鳴っているのを伝え、母親が出るという内容について、「父親の指示で母親が電話に出るものだという刷り込みになる。家庭内での役割分担の表現は不必要」と、細かい指摘があった。

主査の亀山郁夫名古屋外国語大学長からは、「論点についての答えを、各委員で用意してほしい」と宿題が出された。

第4回会合は、3月3日開催予定。

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