自分たちで工夫すると楽しいね 支援学級児童が実感

月例会で授業実践を報告
月例会で授業実践を報告

体育同志会多摩サークルは、新年初となる月例会を、東京都日野市の高幡地区センターで開いた。さまざまな課題を抱える特別支援学級の児童を対象にした「鬼遊び」の実践を、清瀬市立清瀬第七小学校の木村隆志教諭が報告。全員参加と、ルールを自分たちで作り上げる「しっぽ取りゲーム」の流れと意義を、児童の変化や成長と合わせて説明した。

新年初の月例会は、1月7日に行われた。木村教諭は、心身に課題のある児童の状況を見取りながら、ふさわしい実践の在り方を模索した。

そんな中で、全員が参加でき、休み時間などでクラス内の遊びにもつながるとの視点で、「鬼遊び」の一種、「しっぽ取りゲーム」を全4時間で実施した。

このゲームでは、各自が腰に四角いタグを付け、2チームに分かれて相手チームのタグを奪い合う。効果的にタグを奪うために、相手の動きを観察する目や踏み込むタイミング、タグを取られないような逃げ方、チームプレーなどを工夫する。

プレーは、特別支援学級に在籍する1年生から6年生までの約30人が、学年混合で行った。児童らの実態を見据えながら、育てたい力として、▽プレーの状況に応じて走る速度の緩急を工夫する▽自身のタグが奪われるリスクをもちつつも、相手のタグを奪う勇気のある動きを学ぶ▽全員参加に加え、みんなが楽しめるルール作りを児童らが主体的に考え実施する――などを目指す取り組みとした。

児童らには、仲間と協働したり、粘り強くプレーしたりする力が不足している。そこで、個々が楽しく関わりつつも、全メンバーへの意識をもち、ゲームをより良く改善していく力を育む流れを工夫した。

初回のゲームでは、「みんなが楽しめる鬼遊びに」を共通目標に、児童自身がルール作りや見直しを適宜図り、進める流れを確認して取り組んだ。ここでは紅白2チームに分かれてプレー。タグを取られたら、所定エリアに留まり、ゲームに参加できないという基本ルールで進めた。

その結果、チーム対抗戦を楽しむ一方で、低学年の大半が開始早々タグを奪われたり、積極的なプレーは男子に限定されてしまったりするなどの状況が生まれ、次回のルール改善の視点となった。

新たなゲームでは、タグを奪われたメンバーもゲームに参加できるルール改変などを行った。これまでは、待機エリアで見守るだけだったのを、敵チームが味方チームのタグを取らせないようじゃまする役割を担うようにした。

ゲームを楽しめば楽しむほど、児童ら自身でもっと楽しく、良い活動にとの願いと意欲が高まり、具体的な改善アイデアを数多く出すようになった。タグを取られそうになったら、味方同士でタグをパスし、敵に取られなくするルールなどが提案された。児童らによる進化する全員参加のオリジナルゲームが実現した。

木村教諭は「教師が一方的に指導するのではなく、児童が活動を存分に楽しむ中で、もっと楽しく、良くするための視点や行動を深めていければと願った」と振り返る。その際、毎時間の児童の意見やルール作りを巡るアイデアをホワイトボード上に一覧化し、履歴や多様な意見を確認できるようにした。

さらに、教師が児童の良い行動や言葉などをしっかり見つめ認めながら、直接的な称賛や声掛けだけに終わらせないようにした。児童同士が互いに認め合い、学び合いが深まるよう、児童らの間で声を掛け合う間接的な働きかけを意識したなどと指摘する。

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