理科を学ぶ本質は? やはりそれを問わなければ

各委員が理科を学ぶ意義について主張した
各委員が理科を学ぶ意義について主張した

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は理科ワーキンググループの第3回会合を、文科省で開いた。幼・小・中・高を通じた理科教育のイメージや、理科で育成するべき資質・能力について、委員が議論を交わした。

第3回会合は1月14日に行われ、議題は、(1)理科教育のイメージおよび理科において育成するべき資質・能力について(2)アクティブ・ラーニングの3つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視するべき理科の指導などの改善充実の在り方について――の2点。両議題とも、理科を学ぶ本質的な意義について、委員の意見が集中した。

事務局から提示された案を見て、首都大学東京理工学研究科の松浦克美教授は、「小・中学校と比べて高校が問題。基本的には現行と同じ。これでは高校は変わらない」と、前回に続き高校理科教育への懸念を示した。

他の委員からも、高校理科に関して、「自ら学びたいという気持ちを大事にする必要がある」「『自分の問いを、現象から皆に説明したいから、実験・観察をする』という点まで盛り込むべき」「高校生が理科で学びたいのは、地震防災について。中学校理科教諭が教えたいのは地震の科学。理科を何のために学ぶのか、中学校理科教諭は理解しているが、中学校理科を学んだ高校生には伝わっていない」「中学校でついた理科の学力が、高校まで受け継がれていない」などの意見が表明された。

「なぜ知りたいのか、なぜ学びたいと思ったのかを、身の周りや、自分の将来と結びつけられるような表現が、教員や教科書や学習指導要領の中にあるべき」との示唆もあった。

理科教育の重要なポイントとして、「問題を見いだす」「自分で問いを立てる」などが挙げられる。ただ、それらは理科以外にも当てはまる。今会合では、理科として、「観察の質」「記録の方法」が大事だとされた。

「国際的に活躍できるよう小・中・高校生を育てるために、科学的な概念が身に付くような指導をしたい」と、指導の方向性を示す委員がいた。それに関連して、東京学芸大学附属国際中等教育学校の鮫島朋美教諭は、「内容を学習をした後に、『これは日常生活のこの問題につながる』というつくりになっている教科書が多い。『この問題を解決するには、この理科知識が必要』という授業設計をするべき」と述べた。併せて、「理科だけで解決できる日常の問題はないから、必然的に他教科とのつながりが生まれる」「授業設計のヒントや教科課題の設定方法を学習指導要領や解説の中に入れると、現場が変わってくるのではないか」などの思いを語った。

次回の理科WGは、2月5日に開催予定。

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