愛知県豊橋市で手厚い日本語指導 全校に担当者

愛知県豊橋市の充実した支援が語られた
愛知県豊橋市の充実した支援が語られた

日本語指導が必要な外国人児童生徒全員に対し、日本語能力に応じて「個別の指導計画」を作成し、「特別の教育課程」を実施する――。

愛知県豊橋市教委の酒井憲一指導主事は1月18日、東京都千代田区の中央合同庁舎で行われた「学校における外国人児童生徒に対する教育支援に関する有識者会議」(第2回)のヒアリングで、同市の取り組みを報告した。

同市には今年1月現在、1467人の外国人児童生徒が公立小・中学校に在籍している。彼らが学校生活に適応できるよう、市教委ではさまざまな支援を行っている。

小学校19校に41人、中学校10校に25人が国際教室担当者として県から配置されている。そのほかの市内全小・中学校にも外国人児童生徒教育担当者が必ずいる。

日本語の指導が必要な児童生徒については、日常会話が十分にできない、会話はできても学年相当の学習言語が不足しているといったそれぞれの状態に応じて個別で指導する。別教室での取り出し指導、在籍学級による入り込み指導、放課後や授業後の補充学習などさまざまだ。

どの場合も1人ずつの「特別の教育課程編成・実施計画」を市教委に提出する。「個別の指導計画」も作成し、個人の記録、指導に関する記録を中学校3年生まで申し送る。

学校に入る際の初期支援も行う。岩田小学校(ポルトガル語とタガログ語)、多米小学校(ポルトガル語)、豊岡中学校(タガログ語)の3校を指定し、プレクラスを行っている。入ったばかりの児童生徒を対象に、基本的に1人ずつ、午前中の4時間の授業を2週間行う(40時間相当)。

この3校以外の場合は、各校の国際教室担当者、外国人児童生徒教育担当者が主となり、母語が話せる支援員の助力を得て指導する。市内にある在日ブラジル人のためのカンティーニョ学園で学ぶ場合もある。その選択は学校教育課と保護者との間で行う。

市教委学校教育課には、非常勤嘱託相談員として日本語教育巡回相談員が6人、バイリンガル巡回相談員が5人、バイリンガル常駐相談員が5人いる。そのほかスクールアシスタントが6人、登録バイリンガルが約30人いる。

常勤の外国人児童生徒教育コーディネーター(ポルトガル語対応)1人は教委のあるフロアで相談に応じている。平成26年度には「外国人児童生徒相談コーナー」で656件の保護者相談、860件の学校団体からの相談があった。

こうした支援の成果として、平成26年度に中学校を卒業した119人のうち107人(90.0%)が高校、専門学校に進学した。

酒井指導主事は、こうした充実した支援制度について「予算が付き、支援する人が多くいるのが大きな良さだ」とし、今後も外国人児童生徒の教育に力を入れていきたいとしている。

同会議は今後、2月と3月にもヒアリングを行い、月に1回程度開催して6月をめどに報告書を取りまとめる予定。

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