体罰やいじめ死遺族 初動対応などで文科相に要望書

各団体の代表から要望書を受け取る馳文科相
各団体の代表から要望書を受け取る馳文科相

学校で起きた部活動中の事故や教員の体罰、いじめなどで子どもを亡くした遺族らで構成する4団体が1月19日、学校で起きた事件・事故の初動対応の確立などを求める要望書を、馳浩文科相に手渡した。

要望書では、(1)重大事案発生後3日以内に関係者全員にアンケートを実施(2)その結果を当事者や保護者と共有(3)「事故報告書」の作成と報告を義務づけ、当事者や保護者が知る情報や意見を併記する――の3点を求めた。

各団体の代表らと面談した馳文科相は「学校は安全に対して配慮義務がある。不幸な事件・事故で亡くなったり、重大な事態に陥ったりしてはならない」との認識を示した。続いて「遺族が納得のいく体制整備が必要だ」と語った。

この後、NPO法人ジェントルハートプロジェクトや「指導死」親の会などの代表者らが記者会見を開いた。

18日に、文科省の有識者会議が学校事故について初動調査などを盛り込んだ骨子案を示したことについて、「指導死」親の会の大貫隆志代表世話人が「前進したと思うが、もっと議論を深めていかなければならない」と注文を付けた。

遺族と学校、教委の調整役となる「学校事故コーディネーター(仮称)」について「どこでどう養成するのか」と課題を突きつけた。

「重大事案発生時における初動対応に関する要望書」全文

馳大臣に手渡された「重大事案発生時における初動対応に関する要望書」の全文は、次の通り。小森新一郎NPO法人ジェントルハートプロジェクト代表理事が取りまとめ人となり、賛同団体として、全国柔道事故被害者の会、「指導死」親の会、剣太の会、ラグビー事故勉強会(準備会)が名を連ねている。

◇ 

私達は、子どもの心と命を守る上で、発生した重大事案の正しい事実関係を把握し、それを元とした再発防止策を確立することが最重要と考えます。その実現のためには、以下の三点を重大事案発生直後に実施することが必須です。

要望内容
 ①重大事案発生後3日以内に、関係者全員を対象にアンケートを実施すること。
 ②その結果を当事者や保護者と共有すること。
 ③「事故報告書」の作成と報告を義務づけ、当事者および保護者が知る情報や意見を併記すること。

①について
一次情報を早期に収集することは、記憶の汚染などの影響を避けるために重要なポイントです。その後の調査や検証においても、こうした情報は基本となる重要情報となります。また、さまざまな形で重大事案に関係した子どもたちにとっても、自身の思いや感情を表明する機会を得ることは、感情を整理、あるいは反省、今後の生活に重要な効果をもたらします。保護者の承諾を得る必要があるなどとして調査の実施が遅れる現状の対応は、再発防止や子どもたちの感情整理などの障害となっています。

②について
アンケート情報の共有は、正しい情報の認知に大変重要です。

③について
事実に対する解釈は立場により異なる場合も少なくないため、多様な解釈を併記することは重大事案をより的確に理解するために重要です。

まとめ
重大事案発生直後の対応について、文部科学省は再発防止策の観点から、管理・監督を確実に実施してくださるよう要望いたします。

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