大型客船を学校にします 世界を学ぶアイデアを提案

チームでアイデアを見いだす力が磨かれていった
チームでアイデアを見いだす力が磨かれていった

埼玉県教委は、県立高校を対象にした起業家教育推進事業の生徒作品発表会と交流会を1月19日、同県桶川市のさいたま文学館で開いた。同事業に参加した7校の高校生は、企業が事前に出したそれぞれのミッションに応え、独自のビジネスモデルのプレゼンテーションを行った。「クルーズしながら世界を学ぶ学校」など、チームで演出を工夫しながら多様なアイデアを提案していた。

生徒による発表会は、旅行会社やテレビ局など4つの企業のミッションに応える「企業探求」と、日経新聞のコラム「私の履歴書」を教材にさまざまな経営者などの軌跡から仕事や人生を考える「進路探求」の2コースに分かれて行われた。

企業探求コースは、クレジットカード会社の「決済の仕組みを活用して社会課題を解決する革新的サービスを提案せよ」や、ICT会社の「夢を形にする新サービスを提案せよ」などのテーマに対して、生徒がこれまでチームで協議し、まとめたアイデアをプレゼンテーションした。

新座総合技術高校の生徒は、旅行会社のミッション「1億人が日本と海外を行き来する心をつなぐ相互理解促進プロジェクト」について、教育を切り口にしたアイデアを提案。大型客船そのものを学校とし、3年間の世界一周クルーズを通じてさまざまな体験学習や交流機会を提供するというもの。

現状の日本の英語教育では、「学習の動機付けや言葉を使う場が乏しい」などの課題意識を踏まえ、実際に世界を巡る旅を学びの機会にと主張。見聞や交流を深め、国際人としての見識や語学力を磨けるなどと説明した。船内では、訪れる国に応じて人々と交流する学習機会を設け、外国語を学ぶ意欲やスキルアップを図っていければとも投げかけた。

庄和高校の生徒は、テレビ局の「国際社会のモヤっとを解決する番組プロジェクトを提案せよ」に応えた。

最初にチームでそれぞれが思う「国際社会のモヤっと、とは」を話し合い、昨年起きた「パリのテロ」事件に着目。テロの背景を検証する中で、解決に必要な要素として「異文化理解や多様な宗教の尊重」を見いだしたと説明した。

そこで、テレビ番組企画は、テレビ局の特性と、子どもたちや幅広い人が楽しみながら理解できるようにという視点で、「アニメを通じた異文化、宗教理解のテレビ番組を制作する」とし、妖怪ウォッチやポケットモンスターとのコラボレーション作品などについて話した。

進路探求コースでは、太平洋戦争敗戦後、飢えに苦しむ日本の人々を助けようとインスタントラーメン開発に情熱を注いだ安藤百福さんの努力を、劇で再現するなどのプレゼンテーションが披露された。

プレゼンテーション後は、企業人や教員、発表した生徒たちがグループを変えながら、それぞれの成果や取り組みを通して体験した自分たちの変化などを話し合った。

生徒からは、▽グループの話し合いで多くのアイデアが生まれた▽チームのプレゼンテーションで相手への意識が高まり、良い発表への刺激になった▽失敗も含めて、やってみる、経験する大切を学んだ――などの意見が出ていた。

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