若い教員は説明苦手 「よい子」育てが親に重圧

預かり保育の課題を議論した
預かり保育の課題を議論した

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は1月21日、幼児教育部会の第4回会合を文科省で開催。幼稚園長2人による発表を受け、幼児教育の改善充実に向けて議論した。園長からは、「若い教員は、分かるように説明するのが苦手」「よい子に育てなければとの過度の思いが、子育てを難しくしている」などといった意見があった。また卒園した小学生がボランティアをしてくれている事例も語られた。

会合での主な議題は、教育課程に係る教育時間の終了後などに行う教育活動(いわゆる預かり保育)と、子育ての支援。これについて、東京都文京区立第一幼稚園長の桶田ゆかり委員と、認定こども園ゆうゆうのもり幼保園長の渡邉英則委員が、実態や課題を発表した。

桶田委員は、預かり保育について、「非常勤職員とふれあうので、子どもが担任とは違う大人と過ごせる利点がある。教職員も、普段とは違う子どもの一面を見られる」と述べた。課題については、園で過ごす時間が長くなるため、子どもが疲れてしまう点を挙げた。

保護者については、「情報を集めるのがうまいが、その情報とわが子の実態が異なると、すごく不安になる」と語った。保護者や若い教員に共通する世代的な特徴として、「人の気持ちをくみ取る、分かるように説明するなどが苦手」と指摘。若い教員には、その点の教育が必要だと言及した。

同委員の発表後は、各委員から正規職員の勤務形態について質問が集中した。正規職員を預かり保育に投入すると、労働時間が増加する。学級数によっては、職員1人あたりの負担が大きくなるため、その解決を課題に挙げる委員が相次いだ。

渡邉委員は、「預かり保育という言葉自体が、教育時間の付け足しという印象を与える」と示唆。教員も保護者も、その位置付けをきちんと理解する必要性を訴えた。

預かり保育の工夫としては、卒園した小学生がボランティアとして活躍しているなどの事例についてふれた。かつて子どもたちが異学年の子どもたちと地域で遊んでいたように、小学生がボール遊びをしてくれたり、虫を採ってくれたりすると、地域で遊んでいるような雰囲気づくりができるという。

子育て支援については、園や行政が全部支援するというよりは、子どもの親同士が支援しあえる環境をつくるのが重要と提案した。

両委員は共に「保護者の『よい子に育てなければ』という思いが、育児を難しくしている」と語った。

また預かり保育の場所の問題として、「家庭的な雰囲気で落ち着いてやりたいと思っても、空き教室がないと大きな遊戯室でやるしかない」「体制によっては、園庭に出るのを禁止して、室内だけで遊ばせている」などが挙げられた。

平成26年6月1日現在、預かり保育を実施している幼稚園は全体の82.5%(公立60.9%、私立95.0%)。時代のニーズに応えてその充実を図ろうとすると、いろいろな課題が出てくる。

委員からは「預かり保育をする時間に上限がないのが問題。子どもの体力なども考慮しなければいけない」「子どもの24時間を視野に入れた幼児教育が求められる」などと、問題点が指摘された。

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