検定中教科書閲覧12社 教員延べ約5千人に

ルール厳罰化の必要性を訴える教科書課の望月課長ら
ルール厳罰化の必要性を訴える教科書課の望月課長ら

検定中の教科書を教科書会社が教員らに閲覧させ、謝礼を支払っていた問題で、文科省は1月20日までに、義務教育教科書発行21社(三省堂を除く)に、自己点検・検証結果を求めていた。同省は翌21日、これを公表した。半数以上の12社が延べ約5千人の教員らに、同様の行為をしていた事実が明らかになった。この中には、教育長や採択に影響を与える教育委員らも含まれていた。

同省は今後、報告結果を基に、各教委に確認するなどして裏付け調査を実施する予定でいる。

報告結果によると、平成21年度小学校、22年度中学校、25年度小学校、26年度中学校の検定中に申請本を閲覧させていたのは、教員ら延べ5147人。このうち、金品などを渡していたのは、12社のうち10社で、人数は延べ3996人。図書カードや金銭などを謝礼として渡していた。最高額は1人5万円だった。

この中には、教育長7人と教育委員3人も含まれており、採択勧誘として疑念を生じさせるケースもあった(役職は当時)。

同省は今後、検定期間中に閲覧させる行為があった場合には、当該教科の検定手続きの中止や社名の公表を検討する。

同省教科書課の望月禎課長は「教科書を作成する上で教員から意見を聴くのは大切だ」としながら、「検定中に申請本を見せる行為は、行政処分の対象になる。それを承知でやっているのなら厳罰化を考えないといけない」と、厳しい表情で語った。

馳浩文科相は22日の閣議後会見で、不正行為が発覚した発行会社に対する指導に関して、「結果を踏まえ、1カ月をめどに判断する。不正行為の背景を考え、ルールを作っていく必要がある」と語った。

(一社)教科書協会の佐々木秀樹会長は同日、「教科書の公正宣伝に関して、日頃から指導してきた。このような結果となったことは痛恨の極みであり、国民の期待を裏切り、深くおわびする。公正性を確保する仕組みや行動規範を策定し、各発行社が順守するよう徹底させ、信頼回復に努める」とする謝罪のコメントを出した。

またこの日、一部の教科書発行社が、謝罪会見を各社の本社で開いた。

関連記事