小中9年間を見通す 中1ギャップは軽減できる

実践発表会場には多くの人が集まった
実践発表会場には多くの人が集まった

東京都練馬区教委は1月22日、「ねりま小中一貫教育フォーラム」を、練馬文化センターで開催した。小中一貫教育実践校が活動をまとめたポスターの展示や、研究グループなどによる発表が行われた。9年間を見通した授業の創造、小中の交流、中1ギャップ軽減のための取り組みなど、さまざまな実践が報告された。

発表したのは、施設一体型小中一貫教育校1校と、施設が離れた小・中学校での小中一貫教育を実践している研究グループ7組。目指すのは、授業改善による学力・体力の向上、連携指導による豊かな人間性・社会性の育成、滑らかな小中接続による安定した学校生活。その取り組みと成果を報告した。

同区では、中学校1校と近隣の小学校1~3校で研究グループをつくり、9年間を見通した視点でカリキュラムを作成している。義務教育が修了する時点で基礎学力を身に付け、全員が自信を持って進路に向かい歩んでいけるように、小1から中3までの系統性・連続性を確保する。それは学力面だけではない。体育のマット運動や技能教科の安全な道具使用などまでを含む。指導計画のジャンルは多岐にわたる。

知的障害学級では、それを設置している小学校16校と中学校8校を4ブロックに分け、指導方法の研究などを進めている。

小中一貫教育の主な取り組み実績は次の通り。

▽小学生が中学校の教員から授業を受ける「乗り入れ授業」▽小・中学生が同じ班で話し合いながら学習する「合同授業」▽小学生の質問に中学生が答える「手紙交換」▽中学校の合唱祭で小学生が歌うなどの「行事への参加」▽授業や補習で中学生が小学生の学習補助をする「リトルティーチャー」▽小学生が中学校の部活に参加する「部活動体験」▽同じ中学校区の小学校2校が一緒に活動する「小小連携」▽中学校教員が講師となり小学校教員に理科実験を教える「理科実験実技研修」▽小・中学校教員が一緒にカリキュラム研究をする「小中教員研修会」――など。

同区教委は、平成23年4月に、施設一体型小中一貫教育校である大泉桜学園を開校。同時に、施設が離れた小・中学校を段階的に小中一貫教育研究グループに指定し、取り組みを広げてきた。今年度は、研究グループを同区内の全中学校区に拡大。研究や実践が進んでいる。

同学園は、もともと小学校と中学校が隣接していたのを生かし、施設一体型の小中一貫教育校として開校した。従来の6・3制ではなく、4・3・2制を導入。4年生までは旧小学校校舎で、5年生からは旧中学校校舎で学んでいる。

同区教委教育企画課の担当者によると、同学園が開校した当初、保護者たちは「小中一貫ってなんですか」という状態だったという。学校選択制で入学者が減っていた学区だったが、小中一貫教育のさまざまな実践を重ね、成果を上げるにつれて、同学園は入学者を増やしている。

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