アクティブ・ラーニング 小中連携で追究

中学教員の視点で児童のサポートを行う
中学校教員の視点で児童のサポートを行う

東京都府中市立府中第五小学校(渡邊桂子校長、児童数562人)は1月22日、「自ら学び、心豊かにたくましく実践する児童生徒の育成」を主題にした小中連携と一貫教育を視野に入れた公開授業研究会を開いた。義務教育9年間の系統性ある学びとアクティブ・ラーニングによる学力向上、中1ギャップ予防と解消を視野に、小・中学校の児童生徒と教員の相互交流や連携した学びの拡充などの実践成果を発表した。

6年生理科の授業では、小・中学校教員がTTで進める単元「てこのはたらき」の中盤部の展開を公開した。指導者は橋長雄大教諭と府中第十中学校の岸正太郎教諭。橋長教諭が授業を主導しながら、実験中などに児童が気付きを得るためのサポートや声かけを岸教諭が担った。

同単元のこれまでの実践では、児童がてこを実際に使って重い物を楽に持ち上げる経験をしながら、影響する作用点と力点の位置の関係などを考えてきた。この時間はそんな既習を踏まえ、グループで実験を実施。てこの棒を天秤にし、左右のおもりの重量や位置をずらしながら、「どのようなときに釣り合うか」を確かめ、その関係性、規則性を知る中で、てこの原理や天秤の仕組みの理解を深めた。

実験は、てこの棒の左側に20、30、40グラムの異なるおもりを支点からの距離が異なる3点ごとにつるした状態で実施。グループで棒の右側のおもりの重量と6段階あるつるす位置を変えていき、つりあいの結果を記録した。結果は、表に分類しながらまとめた。

報告では、「左側のおもりが30グラムで、支点に近い2の位置にある場合では、右側のおもりが10グラムで支点からの距離が一番遠い6の位置や、おもりが60グラムで支点からの距離が一番近い1の位置などでつりあいが取れた」などと、おもりとその位置との関係に注目した発表が続いた。

児童らで一通りの結果を検証する中で、つりあいが取れる共通の条件についても、気付きが深まった。それぞれの結果分類表から、「左と右それぞれ、おもりの位置と重さをかけた数が同じときにはつりあいが取れる」という計算式を通じた法則や、「おもりの重さが小さいときは、支点からの距離が遠い位置で、おもりの重さが大きいときには支点からの距離が近い位置でつりあう」などの関係にも気付き、数々のつぶやきと法則発見の歓声が響いていた。

協働した岸教諭は「児童がおもりの位置や数値をしっかり観察し、そこから法則をつかんでいけるような声かけやアドバイスを大切にした」とふり返り、中学校につなげる学びの意識と基礎固めを図る強い意識がうかがえた。

同校では、研究主題をにらみ、小中連携による義務教育9年間の学びの在り方と実践を追究してきた。

その際、児童の学習意欲と主体的な学びの力を育てるのを重視し、小中連携による「アクティブ・ラーニング」の実践を探究。同じ学区内の府中第十中学校と連携しながら、協働的、問題解決的な学びの計画や実践を進めてきた。小・中学校教員が共に話し合う研修を行い、それぞれが理解し、実施しているアクティブ・ライニングや、思考力を深める授業の在り方について、学習過程の共通性や小・中学校で共通して実施できる指導の工夫などを共有するようにしている。

算数や音楽では、中学校教員の専門性を生かした小・中教員のTT指導も継続的に行っている。

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