STOP!見るだけ先生・生徒 児童生徒がいじめで宣言

活発に話し合う生徒ら
活発に話し合う生徒ら

「STOP! 見るだけ先生 見るだけ生徒」――。今年度の「全国いじめ問題子供サミット」が1月23日、文科省講堂で開催された。午前10時から午後5時まで、熱のこもった話し合いが行われ、サミットのまとめとして、2つのメッセージが宣言としてまとめられた。

1つは、傍観者に対して「STOP! 見るだけ先生 見るだけ生徒」。もう1つは、いじめを受けている人に向けて「勇気をもって心の声を伝えよう」。

この日集まったのは、1都1道26県10市の27小学校と70中学校の児童生徒140人ほど。これに、引率教員や各地の教委関係者らがほぼ同数。文科省講堂は、その他の関係者も集まり、終始熱気に包まれた。

サミットの午前中には、いじめ問題への取り組みについて、ポスターセッションが行われた。児童生徒らは、各セッションを見聞きした感想をまとめた。

午後には、児童5組、生徒15組が6、7人ずつに分かれてグループ協議を行った。協議のテーマは「いじめを見つけたらどうする」。これについて、(1)自分はどうするか。まわりの友達はどうすると思うか(2)止められないのはなぜ(3)先生や保護者にしてほしいこと、してほしくないこと(4)どんな工夫でいじめを止められるようになるか――に関して順に話題にし、時間を区切って話し合っていった。

講堂の後ろ側に座っていた教員らも、いろいろなグループの話に耳を傾けるために、会場内を回った。ただ、「先生にしてほしくないこと」については、児童生徒が話しやすいように教員らには自席にいてもらい、教員同士で、学校の現状などを話し合ってもらった。

児童生徒らは、「強い人にはなかなか注意できない」「自分がいじめられるようになったらと心配になる」「リスクを冒してまで間に入れるか、自信がない」「いじめる側は、それがいじめだとは思っていない」「誰もが注意できる雰囲気が大切」などと、活発に意見を述べ合った。

「先生にしてほしくないこと」については、「先生は見て見ぬふりをするなと言うけど、見て見ぬふりをする先生がいる」「気に入っている子には優しい先生がいる」などの声も。

グループ協議終了時には、馳浩文科相がステージに登壇。いじめ防止対策推進法づくりに関わった経緯やネットいじめの現状、自殺にまで至るいじめ問題などについて語り、相手への思いやりを大切にしようと語りかけた。

この後、馳文科相はとびきりのサプライズを用意していた。会場に現れたのはAKB48の高橋みなみさん。NHK番組「いじめをノックアウト」にも出演しており、会場の熱気はさらに上昇。

児童生徒らは、各グループが話題にした協議内容をまとめ、生徒ら自身で司会進行しながら、質疑応答が進んだ。高橋さんは、児童生徒の発言に、深く耳を傾けた。

この論議を基に、サミットの宣言が練られていった。中学生が議論に行き詰まると、司会を務めた生徒が、小学生から助けを求める場面も。これを受けて小学生が、論議を展開する発言をするなど、たいへん質の高い終盤となった。

こうして出来上がったのが、2つの宣言。

高橋さんは「NHK番組に出ていると、正直、いじめをなくすのは無理なのかなと思ってしまいます。でも、皆さんを見ていたら、いじめがなくなる日が来るのではと希望を持ててきました。きょう出た意見を、学校に帰って広めてほしいです」と感想を述べた。

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