授業例示す 高校新科目の歴史総合と地理総合で

次期学習指導要領に向けた改訂で新設される高校の「歴史総合(仮称)」と「地理総合(仮称)」の方向性や特色、構成イメージはどんなものか。中教審初等中教育分科会教育課程部会の社会・地理歴史・公民ワーキンググループが1月25日、第3回会合を開いた。

事務局は「地理総合(仮称)」について授業イメージのたたき台案として「問い」と授業実践の具体例を次のように示した。▽なぜ出生率と人口増加率は一致しないのか▽どうしてアンデスでは湖上で生活する人々がいるのだろうか▽ハザードマップを読み、自分たちの町の防災について考えよう――など。「世界に学び、自分の地域で生かす。各学校でそれぞれの課題について取り組んでほしい」と構想を話した。

「歴史総合(仮称)」の方向性・特色・構成イメージでは、育成すべき資質・能力について、▽歴史を考察する手だて(視点や方法)を用い、現代の諸課題の歴史的背景を追究する力▽諸資料を適切に活用する技能▽国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質。構成イメージは、「経済活動と生活」についてであれば、近代化「工業化と政治変動」、大衆化「科学技術と消費社会」、グローバル化「市場経済の発展と経済格差」を学ぶとした。

研究開発学校制度で平成25年度から3年かけて「地理基礎」「歴史基礎」の開発・実践に取り組む神戸大学附属中等教育学校の高木優教諭は、自校の取り組みを報告。同校ではグローバル人材育成に向け、地理歴史科を再編成し「地理基礎」「歴史基礎」を必修科目として設置。高校1年生で学習している。どちらの学習も基本的知識の学習・理解に始まり、資料の読み取り・活用、個人の思考・判断の表現、グループによる意見交換、学級全体での意見の可視化、個人のまとめと振り返りとなる。

こうした授業を受けた現在の高3に「歴史基礎」は生徒参加型であったかを聞いたところ「大変そう思う+そう思う」54%、「あまり思わない+思わない」46%だった。

受験のための知識習得に役立ったかについては「大変そう思う+そう思う」60%、「あまり思わない+思わない」40%だった。

一方、従来型の「世界史A」を高1で受けた昨年度の高3に同じ質問をしたところ、生徒参加型であったかでは「大変そう思う+そう思う」30%、「あまり思わない+思わない」は70%に上った。

「歴史基礎」を受けた生徒たちは、「世界史A」を受けた生徒よりも参加型だったとした。

委員間の討議では、「神戸大学附属中等教育学校のアンケートを見ると、参加型授業だと感じた方が知識の定着がいい。これは大事な視点」「授業展開の問いと実践例が示され、イメージが具体的に分かった。ただ、学校現場を考えると1年間、問いかけだけで授業を組み立てていくのか。次期学習指導要領では、どの教科もアクティブ・ラーニングとなる。生徒たちは疲れないだろうか」と懸念された半面、「議論しない高校生でいいのか。議論しないと、せっかくの改訂が後退する」との厳しい声もあった。

関連記事