調べて食べて作って遊ぶ 児童がESDで研究発表

「肩引き」を実演する6年生
「肩引き」を実演する6年生

東京都江東区立八名川小学校(手島利夫校長、児童数368人)は1月26日、「八名川まつり」を開催した。このまつりは、ESDの視点による総合的な学習の時間・生活科の成果発表会。校内だけではなく、近隣の幼稚園や保育園、保護者、地域に向けて、全校児童が発表する場となった。

2年生は、地元の店で取材をした内容をまとめて発表。見学者の体験活動やクイズを交えて行った。

米について調べた3人は、以前に稲刈り体験で面倒をみてもらった「石川さん」に取材した。米の銘柄の由来や面白い銘柄ランキング、食べ比べた感想などを述べた。脱穀やもみすりの方法を示し、見学者に体験を促した。

「私たちは『ゆめぴりか』がおいしいと思ったけれど、大人には『さがびより』が人気です」などと3人は発表した。発表後には、「お寿司屋さんのお父さんは『ゆめぴりか』とは違うお米を使っています」と話した。食べる人によって好まれる米が違うのを実感したなどとも。

6年生は、「子ども」「外国人」「視覚障害者」「妊婦」「動物」「祭り・人情」「高齢者」など、各グループが選んだテーマについて発表。課題、自分たちが考えた解決策、まとめ・主張など、しっかりした構成で成果をまとめた。

「歴史」について調べた3人は、ニュース番組に見立てて発表を実施。司会者やコメンテーターなど、流れに応じて役割分担がなされており、エンターテインメントとして成立していた。

ニュース仕立ての発表には、①松尾芭蕉の俳句②寿司の歴史③江戸しぐさ――の3つの特集が組まれていた。地域に密着した歴史と、これからの未来に生かしたいことをまとめ、熱心に語った。

江戸しぐさでは、道で人とすれ違うときに左肩を路肩に寄せて歩く「肩引き」や、乗合船などで後から来た人のためにこぶし1つ分腰を浮かせて席を作る「こぶし腰浮かせ」の実演も見られた。

同イベントのスローガンは「世界に発信! 成果を発信! 目標をもって学び合おう」。各学年のテーマと内容は次の通り。

1年生「あそびランド」=8つのコーナーに分かれて、身近なものを使った遊びをする。2年生「町のひみつを知らせたい」=町探検で見つけた秘密を発表。3年生「食べ物から見える世界」=米、麦、芋、魚など、いろいろな食材に目を向け、それらの良さや、日本と世界とのつながりについて調べ、工夫して発表。

4年生「探そう! 八名川未来遺産」=「八名川七福神めぐり」と称して、未来に残したい地域の宝、7つの未来遺産を紹介。5年生「環境の視点で工業を見直そう」=これからの日本の工業にはエコの視点が必須。昨年12月に開かれたエコプロダクツで、児童が企業ブースを訪ねて取材をした。その成果を、クイズを交えて発表。6年生「みんなの力で築こう!元気に輝く町」=町の歴史や社会の現状について調べて発表。わたしたちの町をよりよくするには――の視点で共に考え、見学者が良案に投票。

1年生は自分の周りに、2年生は町に目を向ける。3年生は日本と世界のつながりを意識し、4年生は未来を見据える。5年生は環境の視点で工業の持続発展性を考察。6年生はみんなが生きていく町を自分たちの手でよりよくする方法を探る。

自分の身の回りを見つめ、地域に根差し、世界へ、未来へと展開していくESDの視点が生かされていた。

この日、同校には、全国から教委や学校関係者、大学研究者などが視察に訪れた。地元の科学館や環境省からも来訪があり、その期待値の高さをうかがわせた。

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