食や自然にどっぷりと 長期宿泊体験の成果を報告

自然体験の思い出と良さが力強く示されていた
自然体験の思い出と良さが力強く示されていた

東京都武蔵野市教委は、全市立小・中学校で実施している自然豊かな農山村への長期宿泊体験活動「セカンドスクール」の子どもたちによる報告会を、昨年末から中学校区ごとに実施。同市立第六中学校区では、1月26日、同中学校1年生と第二、境南の両小学校の5年生が、それぞれの活動と成果を説明した。訪問先の原生林探索や林業体験を社会科学習と関連づけ、木の果たす役割や森林の重要性を深く学んだ成果や、滞在先の人々との関わりと集団宿泊を通じて思いやりや、先を見通す力が磨かれたなどが示された。

市立第二小学校の児童は、富山県利賀村での活動を振り返った。7泊8日で、伝統食のほうとう作りやそば打ち、稲刈り、トレッキングなど、村の食や自然にどっぷりとつかるさまざまな体験をした。

また村での体験を「森」「林業」をテーマにした総合的な学習や社会科と関連づけて学んだ。同校校庭の樹木や地域の森の調査を行った上で、結果を利賀村での原生林探索や林業経験と照らしながら考えた。

児童は説明や調べ学習を通じて、原生林のブナは冬の大雪にも耐え、その根は多くの水を蓄える力がある点などを学んだ。雪の重みでわい曲したブナの樹木に触れたり、広大な原生林をトレッキングでかき分けたりしていく中で、森林の保水力や生命力を体で感じ取れたなどと話していた。

さらに、炭焼き小屋で炭作りにも挑戦。木材を切って炭にする過程の一端を実際に目にする中で、燃料は森からの恵みという木と人の生活とのつながりが鮮明になったと報告した。

市立第六中学校の生徒は、4泊5日の長野県安曇野市での体験について話した。日程中、稲刈りやわさび掘り、上高地へのハイキングなど、農業や自然体験活動を経験し、長野の自然を深く味わったと振り返った。

そんな体験を踏まえ、食に関するテーマ学習を実施。米作りについて学んだグループは、田植えから稲刈りまでの経過を、現地で撮影した作業写真を織り交ぜて説明した。そば作りのグループは、「安曇野そばは、夏と秋、1年に2回収穫を行う」などの特性と合わせて、そば作りの流れを示した。わさび作りグループは、長野県が生産量日本一である点や、水温10~15度の生育環境が必要など、土地の特徴や生産者の情熱に視点を置いて報告していた。

また生徒らは、セカンドスクールを通して互いの変化を調べた。「相手の気持ちを考え、お互いに協力できるか」「農業やものづくりに興味があるか」「自然に囲まれた生活をしたいか」の質問では、経験後に約2倍の協力行動や興味が高まったという結果を挙げていた。

3校の児童生徒によるパネルディスカッションでは、セカンドスクール後、▽自分のことは自分でするようになった▽さまざまな人たちに支えられていると感じるようになった▽仲間との関わりがさらに充実してきた▽先を見通して行動できるようになった――などの成果が語られていた。

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