小中合同で防災訓練など 地域ぐるみの対応力磨く

各地の防災教育の事例が示された
各地の防災教育の事例が示された

埼玉県教委は、自然災害などに対して、児童生徒が主体的に考え、自ら身を守ったり地域の一員として協働したりする力などを養う「防災教育を中心とした実践的安全教育総合支援事業」を推進。1月27日、さいたま市の市民会館うらわで今年度の成果発表会を開いた。緊急地震速報を利用した抜き打ち避難訓練や小中合同防災訓練など、この事業に取り組んだ3市町の実践や高校生による災害ボランティア育成講習会の経過や成果が示された。

熊谷市は、(1)児童生徒が自分の命を守るために主体的に行動する力を育む(2)学校防災教育の充実に向けて防災マニュアルや防災教育指導法を研究(3)小・中学校間や家庭、地域、防災機関と連携した地域防災体制の基礎を構築――を目的にした多様な連携活動を振り返った。

学校では、緊急地震速報を利用した抜き打ち避難訓練を、授業や休み時間などに実施。場面に応じてそれぞれが適切な行動を考え実行する力を磨いた。運動会では、有事の対応力を見据えた種目開発と競技を工夫。限られた日用品で担架を作ってボールを運んだり、援助物資の搬入を想定した段ボール箱積みなどを楽しんだりしながら、力量をアップさせた。

その他、あらゆる教育活動の中に防災教育の要素を加え、実施したなどと話した。

小・中学校や地域とともに行う防災訓練や教育にも力を入れた。小中合同の集団帰宅訓練では、通学路の安全を中学生が確認しながら小学生の下校に気を配った。地域の人々との防災訓練では、中学生が炊き出し作業などをサポート。さまざまな人が見守る中で、地域を支える一員としての役割や力を自覚し高めた。

春日部市は、平成24年度から同事業を継続。さらなる向上策として、小中合同避難訓練や地域連携を一層高める防災体制などについて説明した。

同市では、防災教育を通じて児童生徒に、▽危険に気付き、自分の命を自分で守れる力▽周囲の人や地域の安全に役立つ力――の育成を目指している。そのため、学校の避難訓練は、多様な場面や状況で起こる災害を想定しながら、落ち着いて安全な避難行動ができる力を育もうとした。

地震の最初の揺れから身を守るのをねらいにした5~10分程度の「ショート訓練」と、事前学習→訓練→事後学習を1サイクルとして訓練の振り返りと専門家からのアドバイスをしっかり行う「ロング訓練」の2通りを実施。有事に生きる、俊敏で適切な行動力の錬磨と、意識や行動をじっくり検証し、自分のものにする学びが報告された。

その他、小学生が中学校に出向き、合同で緊急地震速報を使った避難訓練を実施。消防署員のサポートで応急救護や心肺蘇生法などを小・中学生が一緒に学び、地域の一員としての意識や顔の見える関係を築けた点などを挙げた。

県立春日部高校の生徒からは「高校生災害ボランティア育成講習会」の報告があった。講習会では、災害時に生徒が学校や地域で支援活動を支える担い手となれるよう、災害の知識や炊き出し、応急手当などを、体験を交え学んだ。

生徒は大地震発生時には、大規模な救助の手がなかなか回ってこない点などを学び、地域の支援には高校生が力を尽くす必要があると指摘。情報や衛生など対応項目に応じたグループを編成して、必要な役割を体験を通じて学び、理解を深めたなどとした。地域の関係機関を知る中で、それぞれの役割や特性も共有し、地域の一員としての自覚も深まったなどの感想も述べた。

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