いい親になるために勉強する 協働的な学習は好き

25年間の子どもの学びについて語る耳塚教授
25年間の子どもの学びについて語る耳塚教授

ベネッセ教育総合研究所は「第5回学習基本調査」についての説明会を、1月28日、都内で開催した。調査では、学習をする子どもが増えたのが分かった。学校での主体的・協働的な学習を「好き」とする回答も増加。勉強が将来に役立つと考え、「いい親になるために」「金持ちになるために」などの理由で勉強の必要性を感じる子どもが増えたのも明らかになった。

同調査は平成2年に開始。その後、8年、13年、18年、27年と計5回実施している。25年間の小・中・高校生の学びの変化を明らかにし、子どもや子どもの成長を支える人々と、これからの学びを考えていくのが目的。

当日は、調査結果と、社会環境や教育環境の変容が子どもたちの学びにもたらす影響について、考察が語られた。

小・中・高校生ともに、学校外での学習時間が、前回調査よりも増えたのが分かった。背景には、宿題量の増加など学校の指導がみられる。中・高校生を対象に行った、1週間の学習日数調査では、中・高校生ともに「毎日する」が最も多く、「ほとんどしない」は最も少ない。前回調査と比べ、中・高校生の勉強日数が増えたのが明示された。

学校での学びに関しては、多くの教科で、その教科を好きだと回答する子どもが増え、理解度も上昇傾向にある。特に、「総合的な学習の時間」を好きだという回答の上昇幅が大きく、アクティブ・ラーニング浸透の兆しがみられる。学力上位層・中上位層の高校生は、これまで、能動的学習を好きだと答える割合が相対的に少なかったが、今回の調査では上昇。進学校でもアクティブ・ラーニングに取り組み始めた結果と推測された。

子どもの意識については、勉強が将来の生活や成功に役立つと考える割合が増えた。「いい大学を卒業すると幸せになれる」「一流の会社に入ったり、一流の仕事に就いたりしたい」「尊敬される人になるために」「いいお父さん、お母さんになるために」などの理由で、勉強の効用を捉える子どもが増加したと分かった。

同調査研究会代表の耳塚寛明お茶の水女子大学教授はこの結果を受け、「学力保障の時代が本格的に到来した」と述べた。

今までの調査を振り返り、「この四半世紀は、教育界にとって激動期。第1回調査のころは、詰め込み教育批判が起こり、ゆとり教育が待望されていた。その後、ゆとり教育と脱受験競争の時代がきて、第3回調査まで子どもたちの学習時間は減少を続けた。平成14年に文科省が『確かな学力向上のための2002アピール~学びのすすめ』を公表し、実質的に舵を切り始めた。第3回から第4回の間に、子どもたちは学習行動を一変させた。第5回ではさらに上昇し、1990年代初頭の水準近くにまで回復した」とまとめた。

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